色々鑑賞録
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共犯
高島礼子主演の2時間サスペンス。

母の愛人を殺害した女が、記憶喪失の男と同居生活を始める。
男は殺人現場の目撃者だった。
女が口封じをするのが先か、男が記憶を取り戻すのが先か。
同居生活を送るうちに、女と男は奇妙な絆で結ばれ葛藤するというお話。

火サス常連脚本家・宇山圭子による、これぞ火サスというダークなサスペンス。
定番メニューをじっくりコトコト煮込んだかのような出来栄え。
軽快さやコメディ色を排した、重たい火サスが好きな人にお勧めの作品。

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日本テレビ:火曜サスペンス劇場
DMMレンタル
テレビドラマデータベース

<番組データ>
脚本:宇山圭子
初回放送:2002年2月12日
番組名:日本テレビ「火曜サスペンス劇場

<出演>
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三橋杏子:高島礼子

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高木良介:石黒賢

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高木理恵:床嶋佳子

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城野:阿知波悟美

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橋本刑事:四方堂亘

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三橋志律子:内田春菊

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谷刑事:鼓太郎

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助手:伊藤葉子

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インタビュアー:胡桃沢ひろこ

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辻警部:益岡徹

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藤原みのり:水野久美

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蓮見慎太郎:平泉成

<ストーリー>
新進気鋭の料理研究家・三橋杏子(高島礼子)は、
ゴミ捨て場に巣食うカラスを見るのが大嫌いだった。
浅ましく残飯を漁る真っ黒なカラス。
その姿を見ていると、丸で自分の悍ましさを見せ付けられている気がした。

杏子は、最近師匠から独立したばかりだ。
師匠・藤原みのり(水野久美)は、杏子の独立に猛反対だった。
今では、口も聞いてくれない。
それでも、杏子は独立した。
新しい夢を追って、自分の可能性に賭けた。
そんな矢先のことだった。
杏子の運命は今、暗転に差し掛ろうとしていた。

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料理研究家である杏子にとって、
テレビのレギュラーを持つことは大事な収入源であった。
当然スポンサーの意向には逆らえない。
その日、杏子はスポンサー専務の呼び出しを受けて別荘を訪問した。
挨拶、それが表向きの口実だった。
この日会う専務・蓮見慎太郎(平泉成)は、杏子にとって因縁の相手だった。
杏子は、母子家庭で育った。
母・三橋志律子(内田春菊)は、数年前に亡くなっている。
生前、母は金持ちの愛人をしていた。
その金持ちというのが、今回呼び出された蓮見専務であった。
別荘は、閑静な海辺にあった。
周囲には人っ子一人居ない。
そんな場所に女が1人で乗り込めば、何を要求されるかは察しが付いていた。
それでも、杏子は別荘に行った。
杏子にも、蓮見専務とは会わねばならない理由があったのだ。

別荘に行くと、杏子は料理を振る舞うと称してキッチンに立った。
案の定、蓮見専務はもう待ち切れないと杏子の体に抱き着いて来た。
その瞬間、杏子は持っていた包丁で蓮見専務を刺し殺した。
この男だけは、どうしても生かしておけない。
ボロ雑巾のように捨てられたボロボロの母の姿が、杏子の脳裏に蘇っていた。
殺害後、杏子は室内の指紋を全て拭き取った。
あたしがここに来たことは、誰も知らない。
誰にも見られてない。
その筈だった。

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翌日、杏子の元に見知らぬ男から電話が掛かって来た。
思わず耳を疑う内容だ。
「三橋杏子、新進気鋭の料理研究家。
スポンサーのお偉いさんを咥えこんで、出世したらサヨナラか?
伊豆の別荘。本宮商事の蓮見のことだよ。
取り敢えず500万。後は出世払いでも相談に乗るよ。
こっちには殺しの証拠があってね。
断ればもっと高く付くことになる」
男は、待ち合わせ場所と時刻を指定すると一方的に電話を切った。
どうして?
何故知ってるの?
この男は一体何者なの?

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杏子は慌ててお金を作った。
そして、指定の喫茶店で男を待った。
あの口調だと、これからもずっとタカられるだろう。
しかし、今の杏子にはどうしようもなかった。
取り敢えず、500万を都合して何とかするしかない。
今の料理研究家の地位を手に入れるまでに、どれだけ苦労したことか。
むざむざ手放す訳にはいかなかった。
1時間経ち、2時間経ち、男は中々現れなかった。
杏子は、相手の顔が分からない。
この男か、それともこの男か。
杏子は、周囲に目を光らせた。
しかし、いつ迄経ってもそれらしき男が現れない。
結局、杏子は閉店時間まで待ち続けたが男は現れず終いだった。

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翌日、杏子の携帯が鳴った。
例の男からだった。
「三橋杏子さんだろ?助けてくれないか?
あんただけが頼りなんだ」
昨日とは打って変わって、妙に弱々しい口調だ。

杏子は、男が待っているという近くの公園に走った。
その男(石黒賢)は、何故か顔に傷を負っていた。
まだ新しい。
訊くと、昨夜チンピラに暴行されて頭を打ったので自分が誰なのか分からないのだという。
ポケットを探ると杏子の名前と電話番号を記したメモが見つかったので、
取り敢えずこうして掛けて来たらしい。
男は、杏子に問掛けた。
「あんた、俺のこと知ってるんだろ?俺の名前、何ていう?」
杏子は、男の所持品を確かめてみた。
持っているのは、鍵と小銭だけだ。
身元に繋がるものは何もない。
鍵は2種類あった。
片方は恐らく自宅、もう片方はコインロッカーらしい。

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取り敢えず、杏子は男を自宅マンションへ連れ帰って説き伏せた。
暫くここで匿ってあげる。
大人しくしているのよ。
そう言って男を安心させると、杏子はロッカーの鍵を手に駅へ走った。
昨夜、あいつが言っていた殺人の証拠。
それがロッカーに隠してあるに違いない。
一刻も早く処分しなければ。
しかし、ロッカーに入っていたのは証拠らしきものではなかった。
男の日用品だけだ。
その中から、男の手帳が見つかった。
高木良介。
それが、この男の名前だ。

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杏子は、早速高木の身元を洗った。
高木はカメラマンだった。
妻・高木理恵(床嶋佳子)とは別居している。
現在はアパートを借りて1人暮しだ。
杏子は、そのアパートに行ってみた。
もう1つの鍵は、やはりこのアパートの鍵だった。
部屋の中には、フィルムと現像器具が散乱していた。
高木の言っていた証拠とは、盗撮写真に違いない。
探せば必ずある筈だ。
プリントに、ネガ。
部屋中を引っ繰り返すと、京子の睨んだ通り盗撮写真が出て来た。
バッチリ撮られている。
外から望遠で、あの別荘を盗撮していたらしい。
杏子は、自分の写っている写真を全て焼き捨てた。
これで大丈夫。
物証は消えた。
後は、高木をどうするかだけだ。
高木が記憶を取り戻す前に、何らかの手を打たねばならない。
別居しているとは言っても、高木には奥さんが居る。
足が付く前に始末しないと。

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高木の身元を洗っているうちに、更に詳しい人物像が浮かび上がってきた。
高木は、かつて期待された雑誌カメラマンだった。
数年前、高木はある男の収賄現場を写真に収めた。
一世一代の大スクープであった。
しかし、写真は公表されることなく闇に葬られた。
誰かが、裏から手を回したのだ。
同時に高木は突如として雑誌社を解雇され、不安定なフリーカメラマンに転向した。
その世紀のスクープ写真とは、当時通産官僚だった蓮見慎太郎を抑えた写真だったらしい。。
そう、杏子が殺害したあの蓮見専務だ。
以来高木は蓮見専務を酷く恨んで、今では転落するままの人生だったという。
カメラマンとは名ばかりの、借金取りから逃げ回るその日暮しだ。
アパートの名義も偽名だった。
記憶喪失の原因は、どうやらその借金取りに暴行されたことのようだ。
杏子は、何だか複雑な気分にさせられていた。
高木も、蓮見専務を恨んでいた。
あたしと同じように。

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杏子は、脅迫相手であるにも関わらず何故か高木のことが憎めなかった。
しかし、杏子自身は日に日に追詰められていた。
その日、杏子のマンションに刑事が訪ねて来た。
その刑事・辻警部(益岡徹)は、杏子に警察手帳を見せて質問した。
金曜日の午後何処に居たか?
杏子は、家に居たと惚けた。
金曜日の午後と言えば、蓮見専務の殺害時間だ。
何とか平静を装って答えたが、生きた心地がしない。
すると、辻警部は妙なことを杏子に尋ねた。
「クルミは、どういう料理に使うんですか?」
クルミと言えば、あの日蓮見専務に出そうとした料理だ。
全部持ち帰って処分した筈だ。
どうして、刑事がそんな事を訊くんだろう。
ひょっとして、あの時何処かに落としたのを見落としたのか。
杏子は、震える声でその場を誤魔化した。
「私のレシピに、クルミは使いません」
それを聞くと、辻警部は御協力ありがとうと言って帰って行った。
もう駄目、バレる。
プロの刑事に嗅ぎ付けられるのは時間の問題だ。

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杏子は、高木をドライブに誘い出した。
ハンドルを握りながら、杏子は思案した。
どうやって殺す?
崖にでも連れて行って、そこから突き落とそうか。
中々決断出来ない杏子は、
いつの間にかかつての生家に車を走らせていた。
みすぼらしい長屋だ。
いい思い出なんて1つもない。
母は、蓮見専務に捨てられた後完全に家事を放棄した。
杏子はいつもお腹を空かせて冷蔵庫の野菜を噛っていた。
丸で残飯を漁るカラスのように。
杏子が料理研究家を志したのはそれが理由だ。
ずっと、美味しい家庭料理に憧れていた。

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結局、杏子は決断出来なかった。
仕方なく、その日はホテルで一泊してお茶を濁すことにした。
杏子と高木は、部屋のテレビを付けて驚愕した。
蓮見専務殺害事件の容疑者・高木良介が、指名手配されたというニュースが流れているのだ。
自分の顔がテレビに出ているのを見て、高木は思わず漏らした。
「俺は、人殺しなのか?」
高木は、杏子のバッグを引っ手繰って中身を調べた。
中から蓮見専務の写真が出て来た。
高木は杏子の肩を揺さぶって問い詰めた。
「この写真、何処で見つけた?俺の部屋か?
さっき部屋に来た男、刑事なんだろ?
どうして庇う?何で警察に突き出さなかったんだ?
俺の部屋に連れて行ってくれ」

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杏子は、高木に請われるまま再び車を走らせた。
高木は誤解している。
蓮見専務を殺したのは自分だと勘違いしている。
殺したのは、あたしなのに。

2人の車は高木のアパート前に辿り着いた。
高木は、杏子を残して1人でアパートに入って行った。
もし、刑事が張り込んでいたらすぐ逮捕される。
だから、俺1人で行くと言い残して。

アパートに入った高木は、放置されていたカメラを手に取った。
その瞬間、高木の頭の中で欠落していたピースが次々組み上がっていた。
カメラ、スクープ、蓮見専務……
かつて敏腕カメラマンだった俺が、こんなに迄落ちぶれた理由。
蓮見専務の収賄写真を抑えた直後、
自宅に押し入った男たちが妻を暴行して、写真もネガも根こそぎ持ち去ってしまった。
あれが切っ掛けだ。
以来夫婦仲も暮しも崩壊し、俺は蓮見専務を恨むだけの人生に落ちていた。
そして、俺はあの日蓮見専務の別荘へ行って……

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杏子は、車中で高木を待った。
中々帰って来ない。
痺れを切らした杏子は、アパートに入ってみた。
高木は、放心状態でその場に立ち尽くしていた。
「思い出した?」
杏子が尋ねると、高木は力無く首を振った。
高木は杏子に振り返って、何故か妙なことを言い出した。
「海が見たいな。あんたと海が見たい」

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杏子の車は、高木の注文通り見晴らしのいい海辺に辿り着いた。
もう、夜が明けていた。
切り立った崖のある、お誂えの場所だ。
高木は、車を降りて自分から崖に歩いて行った。
背中はガラ空きだ。
警戒している様子はない。
杏子は高木の後ろを歩きながら、今か今かとタイミングを見計らっていた。
高木を殺したら、あたしは助かる。
警察は、高木の死を自殺として処理する。
杏子の震える手が、そろそろと高木の背中に伸びていった。
もう少しというところで、杏子の手が止まった。
出来ない。
杏子は、涙声で高木に告白した。
「 あなたじゃない、蓮見を殺したのは。
あなたは、あたしを脅迫しただけ」
すると、高木は静かに杏子に振り返った。
「俺は、蓮見が死ぬのを黙って見てた。
助けを呼ぼうともしないで、奴を見殺しにした」
高木の目を見た杏子は、全てを悟った。
「記憶が戻ってたのね?」

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杏子と高木は、再び車を走らせた。
ハンドルを握るのは、記憶の戻った高木であった。
高木は、車中で杏子に尋ねた。
「どうして背中を押さなかった?
俺は蓮見を恨んでいた。
いつか、蓮見に復讐したかった。だが、何も出来ない。
女としけ込むところを盗み撮りして、恨みを晴らすことしか思い付かない。
そんな男だ。
挙句に、蓮見の財布を盗んであんたからも金を強請ろうとした。
記憶が戻ったらこのザマだ。生きる価値もない。
あんたになら殺されてもいい。そう思ってた」
杏子は、重い口を開いた。
「蓮見は、母の愛人だった。
蓮見は、あたしの体を触りながら……あたしは、母と同じだって。
あんな母と一緒にされた」
杏子は、母のことが嫌いだった。
ずっと憎んできた。
男にだらし無く、挙句の果ては娘に食事を作ることですら放棄したあの母が。
「あたしは、母を憎むことで強くなった。
母が死んだ時だって、涙も出なかったわよ!
あの日、あたしが殺したのは蓮見だけじゃない。母のことだって……」
涙ながらの杏子の告白を、高木は静かに否定した。
「違う。あんた、母親が好きだった。好きでいたかった。
愛されたかったんだ。
ご飯よって呼んで欲しかったんだろ。
笑って欲しかった。
温かい飯、2人で食いたかった。そうだろ?」
高木は、杏子の手を取った。
「この手、マニキュアも付けないで頑張って来たんだろ?
それは嘘じゃない。
料理は……あんたの作る料理は、あんたそのものなんだ」
高木は、杏子にこのままテレビの収録に出るよう勧めた。
高木自身は、警察に出頭するという。
「俺達は、共犯なんだ」

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杏子は、高木を車から降ろした。
そして、1人になると車中から携帯を掛けた。
そのまま、杏子の車は警察署に走り去って行った。

高島礼子、石黒賢:共犯 [テレビ大阪] 2014年01月08日 13時00分00秒(水曜日)

<高島礼子:関連作品>


テーマ:日本テレビ - ジャンル:テレビ・ラジオ

臨床心理士4
坂口良子主演の2時間サスペンス。
臨床心理士の主人公が、殺人事件の容疑者となった女性のカウンセリングを担当する。
記憶喪失に陥ったこの女性は、犯人なのか、それとも別に真犯人がいるのかというお話。
ゲストヒロイン・丘みつ子の重厚な演技力が見所。

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日本テレビ:火曜サスペンス劇場
臨床心理士4
テレビドラマデータベース

<番組データ>
脚本:いずみ玲
初回放送:2001年10月16日
番組名:日本テレビ「火曜サスペンス劇場」

<出演>
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松波百合:坂口良子

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滝田元:梨本謙次郎

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山崎弓枝:丘みつ子

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林田真紀子:洞口依子

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山崎良彦:佐戸井けん太

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山崎光男:沢木哲

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柳本徹:小野武彦

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小宮山敏子:新藤恵美

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小宮山聡:水橋研二

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織物工場社長:鶴田忍

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中村八重子:野際陽子

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松波大介:三田怜

<ストーリー>
臨床心理士・松波百合(坂口良子)の元に、
知合いの刑事・滝田元(梨本謙次郎)が訪ねて来た。
滝田刑事は、現在殺人事件の捜査を進めている。
その事件の重要参考人の一人が記憶喪失に陥っているので、
百合にそのカウンセリングをして欲しいという。
百合は、滝田刑事に事件の概要を訊いてみた。

数日前、アパートの一室で山崎良彦(佐戸井けん太)という男の変死体が発見された。
発見時、死体の傍らには女が茫然自失の状態でへたり込んでいた。
この女は、山崎の妻・山崎弓枝(丘みつ子)であった。
殺された山崎は、ギャンブラーで多額の借金を抱えていた。
弓枝は耐え兼ねて別居していたが、山崎は何かと口実を付けて金の無心を繰り返していたという。
そんな弓枝が、とうとう夫を手に掛けてしまったのだろうか。
事情を聞こうにも、弓枝は事件のことは覚えていないの一点張りだった。
事件以後、山崎夫妻の息子・山崎光男(沢木哲)が行方不明になっていた。
殺された山崎は、生前息子の光男と険悪な仲だったという。
警察は、現在弓枝と光男を重要参考人として捜査線上に乗せていた。

百合は、まず警察署に出頭中の弓枝に会って話を聞いてみることにした。
この面接は、慎重にすすめる必要がある。
弓枝がもし犯人なら、自白を誘導する危険があるからだ。
百合は、優しく話掛けてみた。
弓枝は、本当に事件のことは何も覚えていないと答えた。
その時、突然ドアが開いて知らない女が乗り込んできた。
何事かと百合が尋ねてみると、女は名刺を差し出した。
女は弁護士・林田真紀子(洞口依子)であった。
弓枝の弁護を担当するという。
「面接は、私を通してからにして下さい」
真紀子は、警察側からの依頼で面接に来た百合を警戒している様子だ。
百合は一旦面接を打ち切らざるを得なかった。

その夜、行方不明中だった光男が警察に逮捕された。
捜査官の取調に対して、光男は黙秘権を使って対抗した。
光男からも、事件の真相は聞き出せそうになかった。

翌日、弓枝が警察にやって来た。
「思い出しました。あたしはこの目で犯人を見ました」
弓枝によると、犯人が何者かは分からないが顔だけははっきり覚えているという。
滝田刑事は、早速弓枝の証言を元にモンタージュを作成して捜査官に配布した。
拘留中だった光男も一応容疑が晴れたので開放されることになった。
滝田刑事は、最初から光男も弓枝も犯人ではないと睨んでいた。
現場付近の路上で、二人とは異なる血液型の血痕が採取されていたのだ。

捜査官たちは、モンタージュを頼りに現場付近の聞込みを始めた。
手掛りになりそうな情報は中々得られなかった。
そんな中、事件の夜現場付近から立ち去る不審な男を見たという目撃証言が浮上した。
しかし、その男はモンタージュとは似ても似つかぬ若い男だったという。
滝田刑事は、ここに来て弓枝の証言は嘘ではないかと疑い出した。
いや、それどころか記憶を取り戻したという話自体が作り話なのではないか。
滝田刑事は、再度百合の元を訪れて相談してみた。
百合も、弓枝が記憶を取り戻したことには疑問が残るという。

百合は、弓枝の治療が不十分だったことをずっと気に掛けていた。。
その後、何度か連絡を取ってみたが、弓枝はアパートを引き払って転居してしまっていた。
弓枝は一体何処へ行ってしまったのか。
百合は、弓枝の生い立ちについて調べてみた。
20年前、群馬県桐生の旅館で住込みの仲居をしていたという記録が見つかった。
百合は、この旅館に足を運んで女将・小宮山敏子(新藤恵美)に話を聞いてみた。
と言っても20年前のことだ。
これと言った手掛りは得られそうになかった。
百合は諦めて帰り掛けて、裏口から見覚えのある青年が出入りするのを目に止めた。
従業員に訊いてみると、女将・敏子の息子・小宮山聡(水橋研二)だという。
一体何処で見掛けたのか、百合は思い返してみた。
そうだ。
弓枝と一緒に歩いていた時に、傍らから弓枝をじっと見つめている青年がいた。
あの青年だ。
やっぱり何かある。

百合は、近所の織物工場で聞込みをしてみた。
織物工場社長(鶴田忍)は、20年前に弓枝が仲居をしていた時分のことを覚えていた。
弓枝は当時の旅館主人と不倫関係にあり、周囲に噂が流れていた。
暫くして弓枝は旅館を辞め、故郷足尾へ帰っていったという。

百合は、足尾へ向った。
足尾は元銅山で有名な寂れた町だ。
少し訪ね歩いてすぐに弓枝の生家が見つかった。
弓枝はやはりそこにいた。
百合が問掛けると、弓枝は重い口を開いた。

20年前、弓枝は勤めていた旅館の主人と愛人関係になった。
主人との間に子供を身籠った弓枝は、一人で育てる決心を固めて故郷足尾へ帰った。
赤ん坊が産まれ、子育てに追われていたある日、子供が何者かに連れ去られた。
犯人は旅館の主人だった。
跡取りのいない主人一家が、子供を強引に引き取ってしまったのだ。
最愛の我が子を、そう簡単に引き渡せる訳がない。
しかし、女手一つの弓枝が子供を育て上げるには限界があるのも確かだった。
足尾は寂れた町で、弓枝に満足な勤め先がある訳でもない。
弓枝は、子供を諦めざるを得なかった。
その後、弓枝は上京して水商売を始めた。
そこの常連客が、殺された夫・山崎だった。
弓枝は間もなく山崎と恋仲になり、やがて結婚した。
山崎には連れ子がいた。
それが、光男だった。
つまり、弓枝には二人の息子がいることになる。
一人は育ての息子である光男で、
もう一人が産みの息子である聡だ。

百合と弓枝がそんな話をしていると、弁護士・真紀子に伴われて聡がやって来た。
自首する決心を固めたので、産みの母に別れを言いたいという。
山崎を殺害したのは聡だった。
事件の晩、聡は産みの母・弓枝に一目会いたいとアパートを訪ねた。
そこで、山崎が弓枝に殴りかかっているのを目撃してしまった。
聡は母を庇おうと山崎に飛び掛り、揉み合いになった末に包丁で刺し殺してしまったのだった。
このショックで、弓枝は記憶を失った。
これら全ての事情を飲み込んだ育ての息子・光男は、
自分の血痕を現場に残して産みの息子・聡を庇っていたのだった。

聡は、百合と弓枝、弁護士・真紀子に付き添われて警察に自首した。
これから厳しい取り調べが待っていることだろう。
産みの母・弓枝は、複雑な心境で聡を見送った。
聡は、産みの母とは言え見ず知らずの弓枝を庇って殺人を犯した。
そんな聡を、血の繋がらない息子である光男が庇ってくれた。
二人の息子が、共に母を守ろうとしてくれていたのだ。

強い母子の絆を感じながら、百合は自宅に帰った。
自宅には、息子・松波大介(三田怜)と祖母・中村八重子(野際陽子)が待っている。
百合の息子は、生意気盛りだ。
元気一杯だが、百合はついつい小言を言いたくなるのだった。

坂口良子、丘みつ子:臨床心理士④ [テレビ大阪] 2013年10月15日 13時00時00秒(火曜日)

<坂口良子:関連作品>


テーマ:懐かしドラマ - ジャンル:テレビ・ラジオ

苦い夜
渡瀬恒彦主演の2時間サスペンス。
刺殺未遂に遭った会社社長が、自分を恨んでいそうな人物から犯人を割り出していく。
真犯人に辿り着く過程で、会社社長は知らず知らずの間に様々な人々の恨みを買っていたことを知るというお話。
火サス円熟期の作品で、地味ながらきっちりした作りが印象的な作品。

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火曜サスペンス劇場
火曜サスペンス劇場:苦い夜
テレビドラマデータベース

<番組データ>
脚本:佐伯俊道
監督:森崎東
初回放送:1999年6月29日
番組名:日本テレビ「火曜サスペンス劇場」

<出演>
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相沢達夫:渡瀬恒彦

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相沢千恵:富樫真

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瀬尾龍一:松重豊

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辻井忍:永島暎子

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左から
勝田:山田アキラ、辺見:片桐竜次

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畑中五月:椰野素子

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畑中加代:岩倉高子

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茂木剛:大杉漣

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茂木の妻(村野洋子):泉晶子

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山岡めぐみ:大谷直子

<ストーリー>
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会社社長・相沢達夫(渡瀬恒彦)は、帰宅した途端何者かに腹を刺された。
相沢を狙って誰かが待伏していたらしい。
相沢は、激痛に襲われてその場に倒れ込んだ。
その瞬間、携帯の着信音が鳴った。
犯人のものらしい。
犯人は慌てて逃げ出した。
こうしている間にも傷口からは見る見る鮮血が噴き出してくる。
立ち上がることも出来ない。
携帯で助けを呼ぶか。
いや、無理だ。
帰宅前に立ち寄ったバーに忘れて来てしまった。
相沢が諦めかけた時、室内に再び誰かが忍び込んで来た。
その人物は、相沢の姿に驚いたのか何かを落として慌てて逃げ出してしまった。
助けを呼んでくれることはなさそうだ。
相沢は、何とか力を振り絞って固定電話に辿り着き、自ら119番に通報した。

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こうして、相沢は奇跡的に命を取り留めた。
病床には、一人娘・相沢千恵(富樫真)が見舞いに来てくれた。
妻は数年前に他界している。
相沢は考えた。
犯人は一体誰だ?
相沢が最初に疑ったのは、この娘・千恵の交際相手である瀬尾龍一(松重豊)だった。
相沢は二人の交際に強く反対していた。
瀬尾にそのことを逆恨みされて刺されたのではないか。
そんな考えが頭を過った。
瀬尾はバツイチだ。
その上、会社を辞めて田舎で農業をやろうと呑気な計画を立てている。
とてもじゃないが、一人娘を嫁にやれるような男じゃない。

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犯人は相沢の自宅に侵入していた。
合鍵を持っていたに違いない。
合鍵を作れるのは誰だ?
相沢には瀬尾とは別にもう一人思い当る人物がいた。
相沢の交際相手・辻井忍(永島暎子)だ。
忍はバーのママをしている。
相沢は、丁度事件の晩も忍のバーに立ち寄っていた。
そこで、少々口喧嘩になった。
忍に男が居るの居ないのという、よくある痴話喧嘩だった。

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相沢は、病床からふと隣の机を見て、自分の携帯が置いてあることに気が付いた。
娘に聞いてみると、現場に落ちていたものを刑事が届けてくれたという。
おかしい。
あの時、携帯は持っていなかった。
誰かが自宅に持って来たんだ。

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相沢は、病床に忍を呼び出した。
「あの晩、君は俺の家に来たね」
相沢がそう切り出すと、忍は取り乱した。
「君が刺したのか?」
相沢が追求すると忍は否定した。
「違う、あたしじゃない。
あたしは、携帯を届けに行っただけよ」

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相沢は、このことを刑事の辺見(片桐竜次)に話した。
辺見刑事は、直ちに指紋を採取して裏付け捜査を開始した。
携帯から指紋が検出されると、
忍は容疑者として警察に連行されていった。
辺見刑事の取調に対して、忍は頑として否認した。
「相沢さんを刺したのはあたしじゃない!」

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暫くして、相沢は入院治療を遂えて日常生活に戻った。
相沢には、まだまだ疑念があった。
忍は警察に捕まったが、どうも犯人とは思えなかった。
忍との間には確かにいざこざがあった。
だが、待伏せして計画殺害に及ぶにしては動機が弱すぎる。
真犯人は別にいる。
そんな気がしてならなかった。

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相沢は、再び瀬尾に疑惑の目を向けた。
まず、瀬尾の身の上について調べてみた。
瀬尾は、前妻・畑中五月(椰野素子)を転落事故で失っていた。
その際、保険金が支払われたという。
瀬尾は、現在サラ金に借金がある。
この借金返済のために、瀬尾は前妻・五月を殺害したのではないか。
そして、今度は交際相手の父を殺害しようとしているのではないか。
相沢の心にそんな疑念が膨らんでいった。

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相沢は、瀬尾の前妻・五月の実家を訪ねてみた。
そして、瀬尾の人となりについて訊いてみた。
五月の母は、瀬尾にとても感謝していた。
瀬尾の前妻・五月は、商売に失敗して巨額の借金を抱えていた。
五月の保険金がその返済に充てられたが、それでも未だまだ足りなかった。
瀬尾は、五月の残した借金を被って、今もこつこつ返済しているのだという。
五月の母が語る瀬尾の人間性は、相沢が思っていたものとは全くかけ離れていた。

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相沢は、瀬尾に直接会って話を聞いてみた。
瀬尾は誠実な男だった。
話してみてそれがよく分かった。
誤解を解いた相沢は、娘との結婚を認めると瀬尾に伝えた。

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後日、相沢は税理士事務所から報告を受けた。
何者かが会社の金を横領していることが発覚したという。
相沢の療養中、会社は茂木剛(大杉漣)という男に任せられていた。
茂木は相沢とは古くからの付き合いで、誰よりも信頼している男だ。
以前は証券会社に勤めていたが、
相沢のたっての頼みで片腕になってくれたという経緯がある。
男と男の固い絆で結ばれている間柄だ。
その茂木が会社の金を横領したとは、俄には信じられなかった。
相沢は、茂木を呼び出して直接問い質した。
すると、茂木は苦しい胸の内を明かした。
証券マンだった茂木は、当時取引に失敗して巨額の借金を背負ってしまっていた。
それが原因で妻(泉晶子)にも逃げられ、
追い詰められた茂木は、悪いと思いながらも会社の金に手を付けてしまったのだという。
会社の経理担当・山岡めぐみ(大谷直子)を抱き込んだ巧妙な手口だった。
それを聞くと、流石に相沢は腸が煮えくり返ってきた。
無二の親友に裏切られた。
相沢は茂木を怒鳴り付けた。
「ひょっとして、おれを待伏して刺したのもお前か?
そうだろ、お前がやったんだろ?」
相沢に一方的に責め立てられて、茂木はすっかり憔悴してしまった。
「帰るわ」
茂木はそれ以上の言い訳はせず、申し訳なさそうにその場から立ち去った。

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翌日、相沢は茂木が自殺したという連絡を受けた。
強く責め過ぎた。
相沢も心が傷んだ。
裏切られたこと自体は未だに腹が立つ。
しかし、茂木には茂木なりの苦しい事情があった筈だ。
その晩、茂木の通夜が執り行われた。
相沢の指示で、社葬の手配がなされた。
相沢のせめてもの思いやりだった。
相沢は、複雑な胸中で出席した。
葬儀には茂木の共犯者だっためぐみも出席していた。
焼香を終えると、相沢はめぐみを誘って葬儀場を後にした。
共犯者であるめぐみからは、事件発覚後に辞表の提出を受けていた。
だが、相沢はめぐみを遺留した。
「君は会社に残ってくれ。
横領した金は、給料から天引で少しずつ返してくれたらいいから」
相沢は、もうこれ以上誰かを責めたくはなかった。

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帰り道、相沢はめぐみと共にバーに入った。
酒が入ると、めぐみは少しずつ本音を漏らし始めた。
「あたし、あなたのことが好きだった。
でも、あなたはずっとあたしのことを馬鹿にしていた」
めぐみは、相沢の父の愛人だった女だ。
父の死後、会社を継いだ相沢はめぐみを社員として残した。
別に相沢に他意があった訳ではない。
しかし、父の愛人だっためぐみを何処か蔑む気持ちがないでもなかった。
それとない言葉や態度にそれが出ていたのを、めぐみは感じ取っていた。
相沢はぶしつけに切り出した。
「君、茂木とは出来てたのか?」
その瞬間、めぐみは相沢の靴を踏み付けた。
「痛い?」
相沢が痛いと答えると、めぐみは吐き捨てた。
「痛さは感じるんだ。苦さは感じないのに」

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バーを出た相沢は、ふと思い付いて携帯電話を掛けた。
少し先を歩いていためぐみが出ると、相沢は確信した。
「君だな、俺を刺したのは」
めぐみは振り返り、静かな目で相沢を見つめた。

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それから暫くが過ぎた。
相沢は、野菜煮込みを手にして拘置所へ面会に向かった。
めぐみの好みに合わせた、味付けを濃くした野菜煮込みだった。

渡瀬恒彦、大谷直子:苦い夜 [テレビ大阪] 2013年09月20日 13時00時00秒(金曜日)

渡瀬恒彦:関連作品

テーマ:懐かしドラマ - ジャンル:テレビ・ラジオ

隠し続けた女
岸本加世子主演の2時間サスペンス。
信金職員の主人公が、悪い旧友にタカられるようになり、
決着を付けるために一世一代の完全犯罪を目論むというお話。
前半は主人公がどんどん追い詰められてゆき、
後半は逆襲に出る主人公が一体どうなってしまうのかが見所。
火曜サスペンス劇場のお約束を抑えながら、
見応えのあるクライム・サスペンスに仕上がっている。

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テレビドラマデータベース

脚本:丸内敏治
監督:片岡修二
初回放送:1995年2月21日
番組名:日本テレビ「火曜サスペンス劇場

<出演>
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西村浩子:岸本加世子

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野沢俊介:内藤剛志

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佐伯恭子:金久美子

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黒田:今井雅之

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左から
矢島夫人:木瓜みらい、矢島支店長:上田耕一

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山田課長:日野陽仁

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安東刑事:下元史朗

<ストーリー>
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信用金庫職員・西村浩子(岸本加世子)は、
薬局主人・野沢俊介(内藤剛志)と交際中だ。
浩子は心理的な理由からずっと不眠症に悩んでいた。
就寝前には睡眠薬が欠かせない。
浩子は何度か野沢の薬局に通って睡眠薬を処方して貰った。
足繁く通ううちに野沢に交際を申し込まれて、
今は恋仲になっていた。
浩子と野沢の仲は順調だ。
交際が始まって、もう結構な時間が流れていた。
ある夜、野沢は思い切って切り出した。
「結婚して欲しい」
野沢は、そう言って浩子に指輪を差し出した。
浩子は嬉しかった。
野沢の気持ちは本物だ。
だが、浩子は指輪を受け取らずに答えた。
「ありがとう。でも、あと半年待って頂戴」
野沢は少々ガッカリしている様子だった。
しかし、浩子が何やら訳有りだと察してそれ以上強く申し込もうとはしなかった。
浩子には、野沢に隠している秘密があった。
この秘密は、半年先には片付く予定だ。

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ある日、浩子の元に高校時代の同級生・佐伯恭子(金久美子)が訪ねてきた。
恭子は有名な女優で、誰もがその顔を知る有名人だ。
現在はバーのママに転身しているという。
互いに近況報告をした後、恭子は浩子に本題を切り出した。
「お願い。1000万融通して」
恭子のバーは、現在資金繰りに行き詰っているという。
そこで、旧友の伝手を頼って融資の相談に来たのだ。
頼って来られたところで、浩子は信金の一職員に過ぎない。
「そんなの無理よ」
浩子は恭子の頼みを断った。
すると、恭子は浩子に詰め寄った。
「工面してくれないなら、あなたの秘密をバラすわ」
浩子はギョッと驚いた。
「あなた、前に信金のお金を横領していたでしょ。
一度やるのも二度やるのも同じよ」

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浩子は、かつて男に貢ぐために信金の金を横領していた。
結局その男には裏切られ、金だけを持ち逃げされていた。
この事実は、浩子の上司・矢島支店長(上田耕一)だけが知っている。
浩子は、矢島支店長の黙認の元、現在給料の中からセッセと返済している毎日だ。
帳簿をいじって少しずつ帳尻を合せる。
これを10年近く続けて、後半年で漸く返し終わるところだった。
浩子は、この秘密がいつバレてしまうかと10年来不安に苛まれていた。
不眠症になったのはこれが原因だ。
誰にも知られたくない秘密だった。
なのに、どうして恭子がこれを知っているのだろう?
「あなたが貢いでいた男から聞いたのよ」
恭子は悪びれもせずに答えた。
浩子が好きになった男は何処までも最低の男だった。
貢がせてポイ捨てした挙句に、別の女にペラペラ喋ったのだ。

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横領事件をバラされたら、今までの苦労は全て水の泡になってしまう。
浩子は恭子の言い成りになるしかなかった。
浩子は、消費者金融で限度額一杯の50万円を借りて恭子に渡した。
「これ以上は無理」
浩子は恭子に頭を下げた。
だが、恭子はそんなはした金では納得しなかった。
恭子もまた追い詰められていたのだ。
恭子の店は、既に暴力団組員・黒田(今井雅之)に差し押さえられていた。
借金返済は死活問題だ。
黒田はどんな手を使ってでも恭子から借金を取り立てるだろう。
何が何でも1000万の資金が要る。
だが、浩子は何度言っても「あれ以上は無理」と恭子の要求を突っぱねた。
「もう二度と会社のお金に手を付けたくないの」
浩子の決心は固かった。

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浩子は悩んだ。
「このままでは野沢に迷惑が掛ってしまう。巻き込みたくない」
そう考えた浩子は、野沢に別れて欲しいと伝えた。
野沢は異変を感じ取った。
「何かあったんだね。話してくれ」
浩子は野沢には何も言わなかった。
そして、アパートを引き払って姿をくらましてしまうのだった。

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野沢は訳が分からなかった。
「一体何があったんだ」
野沢は、失踪の理由を突き止めようと恭子のマンションを訪ねた。
浩子のアパートに、何度か有名女優の恭子が来ているのを目撃したことがあった。
浩子に異変が起きたのも丁度その時期だ。
「恭子なら何か知っているに違いない」
野沢の訪問を受けた恭子は、浩子の横領をあっさりバラしてしまった。
「浩子が失踪したのはそれが原因よ」
恭子はこう言いながら、更に浩子を追い詰めようと考えていた。

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翌早朝、郷里に帰ろうと駅のホームにいた浩子の前に野沢が現れた。
野沢は、恭子から浩子の郷里を聞き出して追い掛けて来たのだ。
野沢は浩子に言った。
「横領のこと、恭子さんから聞いたから」
野沢は浩子に帰って来るよう説得した。
「店を担保にしてお金を作るから、それで口止め料を払って二人でやり直そう」
浩子は嬉しかった。
野沢は何処までも浩子の味方だった。
「この人なら信じて大丈夫」
浩子は、野沢の説得を受け入れてアパートに戻ることにした。

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浩子は腹を括っていた。
「今度こそ恭子と縁を切ろう」
浩子は、そう覚悟して恭子のマンションへ乗り込んだ。
「バラしたければバラせばいいわ。あなただって恐喝で逮捕されるんだから」
浩子は強気に言い放った。
恭子は自信ありげな様子で答えた。
「野沢さんはお金を作ってくれた?」
浩子は野沢のためにも恭子と絶縁しようと必死だった。
「もうあなたに払うお金は無い!」
浩子の様子を見て取った恭子は、この勇気が何処から湧いてきたのか察した。
「野沢さん、あたしと寝たのよ」
勝ち誇った様子で言う恭子を睨み付けて、浩子は言い返した。
「信じないわ」
野沢は気弱な男だが、自分を裏切るようなことはしない。
自信があった。
だが、この自信は脆くも崩れてしまうのだった。

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後で浩子が野沢に確かめてみると、野沢は気まずそうに謝った。
「御免……」
野沢は嘘の付けない男だった。
恭子のマンションを訪ねた日、野沢は誘惑に乗ってしまったことを白状した。
恭子は女優だ。
男をたらし込むなど、その気になれば造作も無かった。
浩子は最後の心の支えだった野沢にも裏切られてしまうのだった。

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弱みに付込まれて強請られた挙句に、恋人まで寝取られてしまった。
「殺すしか無い」
浩子は、野沢との結婚を諦めて恭子の殺害を決意した。
どうやって殺し、どうやってアリバイを作るか。
浩子は、考えに考えて恭子殺害のシナリオを練っていった。

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後日、浩子は恭子を呼び出した。
「1000万を用立てる計画を立てたわ。
その代り、あなたも協力して」
浩子はその計画を恭子に説明した。

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まず、浩子は勤めている信金を早退する。
浩子はレンタカーを借りてホテル駐車場へ向かう。
駐車場には恭子が自分の車で待っている。
二人はそこで入れ替わる。
恭子は浩子の名前でホテルにチェックインする。
浩子は恭子の車でホテルを出て、上司・矢島支店長の子供を誘拐する。
そして、矢島支店長に身代金を要求する脅迫電話を掛ける。
身代金はキャッシュディスペンサーを利用して受け取る。
受け取った浩子は、人気のない湖畔で恭子と落ち合う。
浩子は恭子に現金を引き渡して二人は再度車を交換する。

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つまり、支店長の子供を誘拐して身代金を奪う計画のアリバイ工作に協力しろというのだ。
浩子は恭子に迫った。
「この計画に協力するなら1000万を払うわ。
駄目ならナシよ」
自身も追い詰められている恭子は、浩子の計画に同意した。

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決行の日が来た。
浩子は予定通り信金を早退してホテルで恭子と入れ替わった。
矢島支店長の子供を誘拐して、恭子名義で宿泊している別のホテルに連れ込む。
その部屋から変声機を使って矢島支店長に脅迫電話を掛ける。
ここまでは恭子との打ち合わせ通りだ。
だが、ここから浩子には隠している計画があった。
脅迫電話の受話器を上げたまま、態と逆探知させるのだ。
浩子は子供を残したままホテルから姿を消した。
やがて、捜査官たちはホテルを突き止めて子供を救い出した。

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深夜、浩子と恭子は予定通り湖畔で落ち合った。
恭子は浩子の車に積まれていたトランクの中身を確かめた。
中身はカラだった。
浩子は身代金を受け取らなかったのだ。
怒った恭子はナイフを抜いて浩子に襲い掛かった。
浩子はそれを交わし、隠し持っていたハンマーで恭子を殴り倒した。
頭を打たれた恭子は即死していた。
浩子は恭子の死体を湖に沈めて呟いた。
「あんたが生きている限り、あたしは眠れないのよ」

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浩子は、恭子にチェックインさせたホテルの部屋へと向った。
もうクタクタだった。
浩子がベッドに横になると、何故か男の呻き声が聞こえて来た。
驚いて確かめると、傍らに血塗れの黒田が蹲っていた。
黒田は立ち上がると浩子に襲い掛かって来た。
浩子は傍にあった灰皿で黒田の頭を殴り付けて何とか息の根を止めた。

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この騒ぎはすぐにホテルに知れた。
浩子の完全犯罪は最後の最後に崩れ去ったのだ。
黒田を瀕死の状態にしたのは恭子だった。
恭子もまた、浩子を出し抜いて黒田殺害の罪を擦り付けようとしていたのだ。

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浩子は警察に逮捕された。
数年間は服役することになるだろう。
そんな浩子の元に野沢から手紙が届いた。
浩子は野沢に返事を出した。

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「捕まってホッとしています。
やっと眠れるようになりました。
野沢さんもお元気で。さよなら」

岸本加世子、金久美子:隠し続けた女 [テレビ大阪] 2012年01月11日 13時00時00秒(水曜日)

<岸本加世子:関連作品>

テーマ:懐かしドラマ - ジャンル:テレビ・ラジオ



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