色々鑑賞録
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08 | 2014/09 | 10
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ベルナのしっぽ
白石美帆主演のヒューマン映画。

全盲女性が盲導犬をパートナーに得て、
世間の差別や偏見を乗り越えて人生を切り開いてゆくというお話。

実際の全盲者が原作なので内容は主題にストレート。
映画版スタッフも、変に奇を衒わずにそのままの描写に徹している。
デリケートな題材なので、話として変に作り込むよりも、
こうしてそのまま描く方が気持ちがダイレクトに伝わって来る。
良質なドラマに仕上がっているので、
興味のある人は是非御覧下さい。

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CinemaTopics
allcinema
MovieWalker
Wikipedia
Go! 盲導犬!
盲導犬~未来につなぐ 七色物語~
**盲導犬**

<作品データ>
脚本:鈴木智
監督:山口晃二
配給:シネカノン
公開:2006年

<出演>
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元永しずく:白石美帆

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元永隆一:田辺誠一

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塚田俊子:市毛良枝

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伊藤啓子:板谷由夏

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鈴木美樹子:根岸季衣

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稲垣道雄:北見敏之

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樫山徹:螢雪次朗

<ストーリー>
※昭和末から平成初頭にかけての
未だ盲導犬に理解が無かった時代のお話です。

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全盲女性・元永しずく(白石美帆)は、盲導犬協会から盲導犬・ベルナを譲り受けた。
実のところ、しずくは犬が嫌いだった。
それでも、敢えて盲導犬を引き取ったのは理由があった。
しずくは、全盲の夫・元永隆一(田辺誠一)と団地の2人暮しだ。
全盲の夫婦でも、健常者と同じように生活がしたい。
それがしずくの信念だった。
身の回りのことは、全部自分たちで片付けた。
そして、健常者と同じように外出出来るようになりたい。
その為選んだパートナーが、盲導犬のベルナだった。
協会で厳しい訓練を施されたベルナは、しずくにすぐに懐いた。
かつての犬嫌いは何処へやら、しずくもベルナのことが大好きになっていった。

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しずくと隆一の夫婦には、間もなく子供が出来る予定だ。
しずくの母・塚田俊子(市毛良枝)は、子供を作ることに反対だった。
全盲の夫婦が子供を育てる等、とてもじゃないが出来ることではない。
万が一があったらどうするのか。
子供にどう責任を取るつもりか。
母は、そう言って反対した。
母自身、娘が全盲になったことに強い責任を感じていた。
しずくが全盲になったのは、病気が原因で誰のせいでもない。
それでも、母はずっと自分を責めていた。
同じ思いを娘に負わせたくない。
その思いからの反対だった。
だが、しずくは母の反対を押し切って子供を作るつもりだ。
健常者と同じ生活をしたい。
絶対に譲れないしずくの信念であった。

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ベルナの導きで、しずくは自由に外出出来るようになった。
だが、それはまだ公道だけだ。
喫茶店やレストランに入ると、犬を理由に必ず追い出された。
どの店に入ってもどう説明しても、同じことの繰り返しだ。

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いい加減、しずくは意地になって来た。
「絶対レストランに入ってやる」
しずくは、予めベルナを念入りにブラッシングした。
服まで着せて万全を期した。
毛が飛ぶという口実で追い出されないようにするためだ。
そして、敢えてベルナと共に区役所のレストランへ入った。
ウェイターは当然のように犬の入店に難色を示した。
「お客様、困ります。犬の入店はお断りしてますので」
「ただの犬じゃありません。盲導犬です」
「盲導犬と言っても、他のお客様の迷惑になりますから」
「お客を選ぶんですか?」
「犬は外に繋いで頂きたいんです」
「この子は私の目なんです。一緒に居るのが自然なんです」
「そうは言っても……」
「ここは区役所に入っているレストランでしょ?
うちもちゃんと税金払ってます。
店長さん呼んで下さい。総務課の人も」
譲るつもりはなかった。
しずくの迫力に圧されたのか、ウェイターは戸惑いながら引き下がった。
レストランで食事を摂る。
当り前のことを当り前にする。
それがしずくの信念だ。
少しして、注文したハンバーグが来た。
しずくは満足して口を付けるのだった。

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しずくとベルナの道は険しい。
レストランの一件など、まだ序の口だった。
ある朝、しずくは踏切を横切ろうとして異変に気付いた。
ベルナの様子がおかしい。
前進を命じているのに足取りが覚束無い。
しずくはベルナを触って確かめた。
腹から血を流して、焦げ臭いニオイがする。
「ベルナ、どうしたのこれ?」
事情が分からず混乱するしずくに、側に居た老婦人が声を掛けた。
「男の人が、タバコの火を横腹に押し付けてたのよ。
このワンちゃん、じっと我慢してたのね。
御免なさいね、何もしてあげられなくて」
盲導犬のベルナは、どんな理不尽があっても任務をやり遂げるよう訓練されている。
こんな酷い目に遭っても、反撃も逃げもせずに黙って耐えていたのだ。
帰宅後、しずくは目に涙を溜めながらベルナに薬を塗った。
「ベルナ、染みるかもしれないけど我慢してね。大丈夫よ」

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やがて、しずくと隆一の夫婦に子供が出来た。
男の子なので、父の名を取って隆太と名付けた。
立派に育って欲しい。
幸いにして、隆太は目の見える子だ。
成長したら見せてやりたい。
しずくが目を悪くする前に描いた絵画を。
今はただ壁に飾っているだけだが、いつか成長した隆太が見てくれるに違いない。
しずくと隆一は、赤ん坊の世話に負われながら夢を膨らませていった。

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一方、赤ん坊が来て以来丸で面白くないのがベルナだった。
ベルナには感情がある。
主人の愛情を赤ん坊に奪われると、激しく嫉妬にも駆られるのだ。
ベルナは、わざと人間用寝床に寝転んで主人の気を引いてみた。
ベルナに出来る精一杯の抵抗だった。

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そんなある日のこと。
料理中だったしずくのエプロンをベルナが引いた。
「どうしたの?御飯まだだよ」
ベルナが戯れている。
しずくは最初そう思った。
しかし、ベルナは唸りながら裾を咥えて離そうとしない。
何か大事なことを訴えている。
異変に気付いたしずくは、寝かし付けておいた隆太を確かめた。
居ない、隆太が居ない。
しずくは手探りで隆太を探した。
隆太は、はいはいでベランダに出ようとしているところだった。
しずくは何とか隆太を捕まえてそれを食い止めた。
「ベルナありがとう」
ベルナはやっぱりベルナだった。
家族の危機を見逃すことなど出来ないのだ。

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健常者と同じ生活をしたい。
そう信念を持つしずくだったが、どう頑張ってもやはり人間だ。
24時間子供に注意を払い続けることは出来ない。
しずくは、友人・伊藤啓子(板谷由夏)の勧めで保育園を探すことにした。
ところが、これまた犬がネックになった。
どの園に行っても犬を理由に断られてしまう。
しずくは、園長・樫山徹(螢雪次朗)と直に話し合った。
樫山園長は中々首を縦に振ってくれなかった。
「でもね、元永さん。
犬を嫌いな子供やお母さんも居るでしょ。
この犬は大人しそうですけど、もし子供達に棒で叩かれたりしたらどうなります?」
何より子供の身を危惧する樫山園長に、しずくは懸命に説明した。
盲導犬は訓練された犬なので、絶対に人間に危害を及ぼさない。
心ない人間にタバコの火を押し付けられても、ずっと耐え続けた。
その経験を踏まえ、しずくは最後にこう結んだ。
「先生、もし何の抵抗もしない大人しい犬を棒で叩くような子が居たら、
そっちの方が問題なんじゃないですか?
そんなことしちゃいけないって教育するのが、先生達の役目なんじゃないですか?」

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しずくの熱い説得は実を結んだ。
隆太の通園も、ベルナを伴っての送り迎えも許可が降りたのだ。

やがて、隆太は4歳になっていた。
そんなある日のこと。
隆太は保育園から帰宅後、泣きながら怒りだした。
「目の見えないお母さんなんか嫌いだ。ベルナちゃんも嫌いだ」
園児たちに何か言われたのだろうか。
間もなく、鍼灸師をしている父・隆一が帰宅した。
あれから隆太は母に口を利こうとしない。
そんな隆太を、父は肩を抱いて諭した。
「お父さんもお母さんも目が見えない。
でもな、何でも見えるんだ。
隆太のこと、何でも見てるんだぞ。
世の中にはな、目に見えないことだって沢山あるんだ。
目に見えることだけが本物とは限らないんだぞ。
いいか、隆太。
目を閉じて心の目で見てごらん。
色んなものが見えるから」
隆太は、言われた通りに目を閉じた。
部屋一杯のビーフシチューの匂いがした。
母が隆太のために作ってくれたビーフシチューだ。
「お母さんな、お前の気持ち何でも分っているんだよ」
父に言われて、隆太の心に小明が灯った。
幼い隆太に、とても大事な何かが育まれようとしていた。

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子供を持つと、月日の経つのはあっという間だ。
隆太は6歳になり、小学校の入学式がやって来た。
その日、担任教師に促されて隆太は級友たちに母と盲導犬を紹介した。
「僕のお母さんは目が見えません。
だから、いつも盲導犬のベルナちゃんと一緒に歩きます。
ベルナちゃんがお母さんの目になってくれています。
お母さんは目が見えないけれど、何でも見えてます。
お母さんは心の目で僕を育て上げてくれました」
隆太はしずくの願い通り、
いや願い以上に成長していた。
その心は、強く優しく思いやりに満ちている。
母親として、こんなに嬉しいことはなかった。

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ベルナの定期健診の日、
しずくは獣医師(伊藤洋三郎)に思わぬ指摘を受けた。
「白内障が出てますね。そろそろリタイアを考えた方がいいですね。
ベルナは9歳でしょう。
人間で言ったらもうお婆さんなんですね。
新しい家に貰われていって、静かに余生を過ごすのも幸せの一つだと思いますよ」
隆太の成長した歳月は、
ベルナを確実に老いへと向かわせていた。
その後の精密検査で、獣医師はベルナが片目を失明していることを告げた。
「かなり進行してますね。
恐らく、片方の目は見えてませんね。
盲導犬としてはもう限界でしょう」

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帰宅後、しずくは家族会議を開いた。
夫・隆一は、ベルナのためを思うならリタイアさせた方がいいという意見だった。
しずくはそれに同意できなかった。
ベルナは家族だ。
別れたくない。
最期まで一緒に居たい。
対立するしずくと隆一の意見を纏めたのは、息子・隆太の申し出だった。
「大丈夫だよ。
僕がベルナちゃんの目になってあげるから。
そうしたら、ずっと一緒に居られるでしょ」

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その日から、しずくの買物には隆太も付き添うようになった。
しずくを導くのは、これ迄ベルナの役目だった。
何処に段差があって、どっちに進めばいいのか、全部ベルナが教えることになっている。
しかし、隆太も一緒だとそれを先回りされてしまう。
役目を奪われたベルナは、面白くなかった。

ベルナに忍び寄る老いは容赦なかった。
目だけでなく、足も確実に弱っていた。
買物帰りのある日、しずくと隆太はベルナが足から出血していることに気付いた。
何処かにぶつけたのか、足を踏み外したのか、
それでもベルナは足の痛さを隠して頑張っていたのだ。

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もうベルナの外出は危険だ。
そう判断したしずくは、ベルナを家に残して隆太と2人で買物に行くようになった。
誇り高い盲導犬のベルナにとって、これは大変な屈辱だった。
しずくと隆太が買物から帰って来てみると、
ベルナは洗濯物や生ゴミを撒き散らして大暴れしていた。
連れて行って貰えなかったことへの強い抗議だった。

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ベルナに、やり甲斐を見つけたい。
しずくは、ベルナを連れて幼稚園や保育園を回った。
盲導犬のことを少しでも知って欲しい。
子供たちにベルナの話をしたい。
そう考えたのだ。
しかし、どこを回っても受け入れてくれる所は中々見つからなかった。
何十軒回ったろうか。
さすがのしずくも諦めかけていた時に、漸く話を聞いてくれるという保育園が見つかった。

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園に導かれたしずくは、園児達を前に話を始めた。
病気で視力を失ったこと。
盲導犬との出会い。
家族を持とうと思ったこと。

「私は、犬が嫌いでした。
実は、大人になった今でも余り得意ではありません。
幼稚園の頃に、自分の背丈より何倍も大きな犬に襲い掛られて、
犬は怖い動物だという思いが強く焼き付いてしまったんですね。
そんな私ですから、病気で視力を失った時でさえ、盲導犬と一緒に生きていこうということは……」

「とっても赤ちゃんが欲しかったの。
お母さんになって、その子のために一生懸命生きていこう。
一緒に生きていきたいって思ったの。
みんなも同じだよ。
みんなのお父さんお母さんにとって、みんなは生きる力になってるの」

「まだまだ世間は、ハンディを持った人のことを正しく理解していない人も居ると思います。
でも、それ以上に沢山の人々が私を支えてくれました」

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また年月が過ぎた。
しずくの講演活動は着実に実を結んでいた。
今では多くの保育園や教会で話を聞いて貰えるようになった。
盲導犬への理解は深まっている。

しかし、ベルナの体力は日に日に衰えていた。
診察の日、獣医師はベルナの余命が短いことをしずくに告げた。
腹部に腫瘍が出来て、もう手術しても助からないという。
ベルナは、もうヨレヨレだった。
自力で階段を降りることも出来ない。
しずくは、ベルナを抱えてやっとのことで階段を降りるようになっていた。

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しずくとベルナは、保育園に最後の講演に行った。
園児達を前に、しずくはベルナへの率直な思いを話した。
「この子に出会えなかったら、私は家に閉じ籠もったまま立ち直ることが出来なかったでしょう。
この子は私に新しい世界を与えてくれました。
ベルナ、本当にありがとう」

講演活動を遂えた後、ベルナは1週間寝込んで息を引き取った。
最期まで、誇り高い盲導犬の一生を全うして。

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それから暫くして、しずくの夫・隆一も体を壊して亡くなった。
隆一は体調不良を家族にずっと隠し続けていた。
気丈に生きて来たしずくであったが、
立て続けに大事な存在を2つも失うと流石に堪えた。
夫の葬儀の日、しずくは母と抱き合って思い切り泣いた。
母とは対立して来た。
しかし、こんな時にしずくを受け止めてくれる人は母以外に居なかった。

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数日後、しずくは新たな盲導犬を譲り受けた。
新しい盲導犬は、ガーランドというメスのラブラドールだ。
ベルナに負けない立派な盲導犬になってくれるだろう。

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しずくは、夫の鍼灸院を再開した。
免許も取得してある。
これから、隆太とガーランドと一緒に力強く生きていくつもりだ。
鍼灸院には、夫の匂いが残っていた。
だが、しずくは敢えて窓を全開にしてその未練を振り切った。
「頑張ろう。頑張ろうね」
しずくと隆太は、ガーランドの頭に手を載せて再出発を誓い合うのだった。

白石美帆、田辺誠一:「ベルナのしっぽ」 [KBS京都] 2012年05月05日 19時00時00秒(土曜日)

<白石美帆:関連作品>

テーマ:邦画 - ジャンル:映画



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