色々鑑賞録
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アリエスの乙女たち:23話(最終回)
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23話「輝ける愛の奇跡」脚本:長野洋

<出演>
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水穂薫:南野陽子

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久保恵美子:佐倉しおり

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結城司:松村雄基

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磯崎高志:石橋保

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結城小百合:大場久美子

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磯崎志乃:奈月ひろ子

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長谷川千草:藤代美奈子

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長谷川欣吾:高橋昌也

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久保小夜子:梶芽衣子

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久保哲也:若林豪

<ストーリー>
過疎の村で陶芸家への夢を追い掛ける青年・結城司(松村雄基)は、再び新作製作に没頭していた。
司は、師匠・長谷川欣吾(高橋昌也)に前作を厳しく酷評された。
そのショックは大きく、司は自殺寸前にまで追い込まれていた。
そんな司を救ったのが、心に慕う恋人・水穂薫(南野陽子)からの手紙であった。
今、司は巨大な挫折を乗り越えて不死鳥の如く蘇ろうとしていた。

司は、長谷川の指摘を冷静に思い返してみた。
盲目の司は、色や模様に強烈な渇望があった。
だからこそ、目を引く美しさを誇る色鍋島に拘った。
それが、そもそもの間違いだった。
目が見えないのに色や模様を追い求めるのは、長谷川の指摘通り邪念なのだ。
見えないからこそ拘るべきもの。
それは、自分自身の手だ。
手が覚えている感触、温もり、それを表現するのだ。
司が選ぶべきモチーフは1つしかなかった。
薫だ。
薫を描くこと。
それが、俺の心なのだ。
そう悟った司は、漸く自分の道に開眼した。
そして、寝食を忘れて陶器製作に没頭する毎日を再開したのだった。

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司が薫を描こうとしている。
それを誰より喜んだは、当然ながら薫であった。
薫は、今も「口の利けないおばさん」を装って司を手伝っていた。
無言で黙々と作業を手伝いながら、薫は心の声で司に訴えていた。

『ありがとう。大声で叫び出したい衝動を、薫は必死に抑えていた。
愛されている。
自分がこの人を愛しているように、この人も自分を世界中の誰よりも愛してくれている。
薫は、今その愛を全身で感じ取っていた』

薫は人気のない山に向って大声で叫んでいた。
今は亡き母・マキ水穂を思って。
「ママ、ママ聞いて。私はとうとう本当の恋を掴んだわ。
ママ、ママは愛は奪い取るものだと言ったわね。
でも、私は奪い取ろうとはしなかった。
ただ、愛し抜くことだけに賭けたのよ。
そして、今私は確かな手応えを掴んだわ。
例え、このまま一生言葉を交わすことがなくても、
あの人と私は永遠に1つになったのよ。
ママ、私は幸せです。本当に幸せです。ママ、ママ……」
薫の声は、澄み渡る大空に掻き消されていった。

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その頃、薫の親友・久保恵美子(佐倉しおり)は、
数日前のショッキングな出来事から塞ぎ込む毎日を送っていた。
同棲している恋人・磯崎高志(石橋保)は、
いつ迄も悄気返る恵美子に嫌気が差したのか、このところ中々家に帰って来なかった。
恵美子は、1人アパートで途方に暮れていた。
かくも恵美子を追い込んだ原因とは、
父・久保哲也(若林豪)に浴びせられた冷たい言葉だった。
「未だ居たのか?さっさと東京へ帰れと言った筈だ。
第一、私の体がどうなろうと恵美子とはもう何の関係もない筈だ。
恵美子、お前が家を出て高志君と一緒になった時、私は親子の縁を切ると言った筈だ。
忘れた訳じゃあるまい。
それを、今更私の病気に託けて戻って来ようとしてもそうはいかん。
お前は、もう私の娘ではないのだ。
出て行け。2度と私の前に顔を見せるな!」
入院中の父を看病しようと見舞いに行った日、恵美子はこう言われて病室を追い出された。
幼少期からいつも優しく可愛がってくれた父が、信じられない剣幕だった。
確かに、高志の元へ走った時には父と喧嘩になった。
疎遠になることも覚悟していた。
でも、病に倒れた今の父からここ迄罵倒されるとは思ってもみなかった。
もし、このまま父が亡くなったら私は親の死に目にも会えないの?
恵美子は胸が締め付けられた。
どうしたらいいのか分からない。
この苦しい状況で、親身になって恵美子の相談に乗ってくれる人は1人しか居なかった。

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恵美子は、親友・薫と再会した。
恵美子の話を聞いた薫は、いつもの強気な薫であった。
「恵美子さん、あなた今一番愛している人は誰なの?
高志さん?それともパパ?
いい?今あなたにとって一番大切なことは、何があっても高志さんを愛し抜くことなのよ。
その為にパパと一生会えなくなったとしても、
あなたが取るべき道は高志さんとの愛を貫き通すこと以外にないわ。
迷うのは止めなさい。
あなたが高志さんと幸せな家庭を築くことが、結局は御両親にも……
そうよ、おじ様もそう願ってあなたを追い返したんだわ。
そうよ、そうに違いないわ」
恵美子の目から涙が溢れると、薫のハンカチがそっと拭き取った。
「さあ、もう泣き虫は卒業しなさい。
幸せってことは、きっと自分の賭けた愛を疑わずに生きていくことだわ。
あなたのパパは、きっとそのことをあなたに言いたかったのよ」
薫に励まされた恵美子は、力強く頷いた。
「分かったわ。私今度こそ全てを捨てても高志さんとの愛を貫いて見せるわ」
今日も薫さんに救われた。
恵美子は御礼を言った。
そして、帰り掛けたところでふと薫を振り返った。
この人には、言っておくことがある。
「ねえ、一度だけ言わせて。
ありがとう……お姉さん」
恵美子の言葉を聞いて、薫は笑顔で応えた。
飛び切りの笑顔だった。

『妹よ。薫は心の中でそう呼びかけていた。
同じ父の血を命とし、それぞれの母の愛を糧とし、同じアリエスの星の下に生まれた妹よ。
今、あなたは自分の人生を自分の手でしっかりと切り開いていこうとしている。
幸せに。幸せに。血を分けた愛しい人よ』

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『数日後、薫は母の命日に墓参に訪れた』

薫の母・マキ水穂の墓前に、跪いて祈りを捧げる男が居た。
薫の父・久保であった。
体調が回復して仕事に復帰し、それに伴って墓参りに来たらしい。
薫は、久保に続いて花を供えた。
天国の母に祈る薫を見て、久保は静かに問い掛けて来た。
「君は、口の利けないお手伝いのおばさんとして彼の面倒をみているそうだね。
それで、本当に幸せなのか?
彼は、一生君に気付かないかもしれないんだよ。
それで本当に満足出来るのか?」
薫の心に、迷いは無かった。
「満足です。あの人は、今全てを忘れて陶芸に没頭しています。
その為に私の存在が邪魔なら、私は空気のような存在になってあの人に尽くすしかありません。
私だって、以前はもっと激しく燃え上がる恋に憧れていました。
でも、今は違います。
愛する人の側に居て、黙って尽くしてあげる。
それだけで十分に満足なんです。
私は、今あの人に一番相応しい愛し方をしていると信じています。
だから、私は満足だし最高に幸せです」
薫の曇りなき眼を見た久保は、今の問掛けが愚問であることを悟った。
そんな久保を気遣って、薫は恵美子のことを話して聞かせた。
久保は、先日娘を病室から追い返したと気に病んでいるに違いない。
恵美子さんなら大丈夫。
あなたの気持ちを判っています。
必ず、高志さんと立派な家庭を築いてくれます。
薫がそう言うと、久保は手を握って感謝した。
薫は、最後に一言付け加えた。
「だって、恵美子さんは私のたった1人の妹なんですもの」

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薫が立ち去った後、久保は改めてマキ水穂の墓に語り掛けた。
「マキ、あの子の目を見たか?
恋をして、その恋に全てを打ち込んでいる直向な目だ。
そう、昔の君と同じように。
私のもう1人の娘・恵美子もそうだ。
もう、私達が口出す時じゃない。
私達の愛の結晶である娘達が、またそれぞれの愛を育て始めているんだよ」

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それから暫くが過ぎた。
工房で陶芸に没頭する司の前に、2人の訪問客が現れた。
1人は旧友・高志。
もう1人はかつての師匠・長谷川であった。
高志の訪問目的は、結婚式を挙げるので是非出席して欲しいという招待だった。
そう、恵美子が妊娠したのだ。
司は、絶対出席すると高志を祝福した。

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続く長谷川の訪問目的は、
良質な粘土が手に入ったから御裾分けに来たというのが一応の理由だった。
しかし、本当の理由は司にある決断を促すためであった。
それは、司が別れを決断した薫のことについてであった。
長谷川は、司の胸中を見抜いていた。
愛する人に苦労を掛けたくない。
それが故に、敢えて薫と別れたことを。
長谷川は、それは間違いだと司に諭した。
「薫さんにとって最大の幸福は、愛するお前の側に居てお前のために尽くすことだ。
その為の苦労など、いや、その苦労こそが彼女の喜びなんだ。
人は時として愛する者のために死ぬことさえ、喜びと感ずることが出来る。
それが本当の愛なんだ。
お前は薫さんの為に死ねるか?」
それを受けて、司は自問自答した。
俺は、薫のために死ぬことが出来るか?
その問掛けには、断言出来る。
「死ねます」
人は、愛する人のためなら死をも厭わない。
今の司の心境は、正にその境地に達していた。
長谷川は、死ねると断言した司に最後の言葉を送った。
「だったら、彼女と一緒になれ。
お前にとって、共に生き、共に死ぬことに喜びを感じる人間は、
水穂薫をおいて他にはおらんのだぞ」

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その晩は、司の皿作りの最終工程であった。
色や模様ではない薫そのものを描いた皿が、いよいよ窯焚きに掛けられるのだ。
燃え盛る炎の中に皿を差し入れた後、
司は窯を封印して焼き上がりを待った。
熱が冷めて取り出せるようになるのは、夜明けになってからだ。
司は、窯の前で一夜を明かすつもりでいた。
作業を手伝う薫も、今夜はそれに付き合って夜明かしする覚悟だ。
薫と司は、窯の前に腰を下ろして時を待ち続けた。
いつかのように、熱いコーヒーを啜りながらだった。
"口の利けないおばさん"を装う薫は、心の声で司に語り掛けていた。
「司、あなたとこうしてコーヒーを飲みながら一晩過ごしたことがあったわね。
あの頃の私は、未だ幼くて愛の深さなど知ることもなかったわ。
愛する人の側にこうして黙って座っているだけで、
ただそれだけで安らぎを感じる女になるなんて、想像もしていなかった。
あなたは、今何を考えているの?
焼き物のこと?大介君のこと?それとも、私のことも少しは……」
薫の気持ちを知ってか知らずか、司は星空の話を始めた。
薫の運命の星、アリエスについてだった。
「星、見えますか?今夜もいい天気なんでしょ?
牡羊座は分かりますか?アリエスって言うんだそうですね。
アリエスの星の下に生まれた女性は、不幸に身を投げ激しく生きる。
それがアリエスの運命とか。
でも、俺はそんなことは信じない。
例え、不幸に身を投げても激しく愛を貫く者にはきっと幸せが訪れる。
俺はそう信じたいんです」
口の利けない薫は、手拍子で相槌を打った。
薫は困惑していた。
そして、心の声で問い掛けていた。
「司、あなた一体何を言いたいの?
丸で私が……そう、水穂薫が隣に居るみたいに」

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夜明けが来た。
いよいよ窯開きだ。
窯の入り口を封印していたレンガを外し、2人は中から皿を取り出した。
それは、神秘的な青い光を放つ皿だった。
一目見た薫が、思わず溜息を漏らしそうになる程の会心の作だった。
司は、皿を触って慎重に出来栄えを確かめた。
「これだ。この肌だ。
憧れ続け、心に思き描き続けた、あの滑らかな……お前の肌だ。
薫、薫、お前はここに居る!」
司は、薫の手を取った。
薬品で焼いて誤魔化した筈の、ボロボロの薫の手だ。
薫は、とうとう禁を破った。
「知ってたの、司?」
その問掛けに、司は感極まって頷いた。
「途中から、薄々そうじゃないかと感じていた。
だが、そうまでして俺に尽くしてくれるお前の気持ちを考えると言い出せなかった。
いや、どう言葉を尽くしてもお前の気持ちに報いることが出来ないと思ったんだ。
たった1つだけ俺に残された道は、この手で、この見えない目で、
お前の肌を焼き物に映し替えることだけだった。
そして、今俺は遂に……
ありがとう、薫。長い間、本当にありがとう」
司は、薫の手を愛おしそうに頬に寄せた。
「薫、俺はもうこの手を一生離したくない」
司の目から、涙が溢れていた。
薫も思わず答えた。
「離さないで、司。この手も心も一生離さないで。愛してるわ、司」
薫は、司の胸に飛び込んだ。
擦れ違っていた2人の心は、たった今1つになっていた。
「薫、愛してる。お前を心から愛してる」
薫は、涙が止まらなかった。
「司!」
薫は、力一杯司を抱き締めた。
司も、薫を抱き締め返した。
未だ肌寒い夜明けの中で、2人はいつ迄も熱い抱擁を続けるのだった。

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その日、教会にメンデルスゾーンの結婚行進曲が鳴り響いた。
新たに生まれた夫婦の門出を祝福するために。
挙式を挙げるのは、恵美子と高志の夫婦であった。
ウェディングドレスに身を包んだ恵美子は、誰もが見惚れる美しさであった。
バージンロードで恵美子の手を引くのは、父・久保であった。
久保は、娘の結婚式に駆け付けたのだ。
会場の人々は、拍手を送った。
高志の母・磯崎志乃(奈月ひろ子)、
司の師・長谷川、その娘・長谷川千草(藤代美奈子)、
恵美子の母・久保小夜子(梶芽衣子)、
それに、恵美子の姉・薫と、その恋人の司。
牧師から、恵美子と高志に誓いの文言を詠み上げられた。

「愛とは求めて得られるものではなく、与えてこそ初めてその深さを知ることが出来るのです。
労り合い、励まし合い、慈しみ、高め合ってこそ、愛しているといえるのです。
愛そのものに形はありません。
しかし、姿形の無い愛というものこそ、この世の中で一番確かなものなのです」

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客席でそれを聞いた薫と司は、互いに手を取り合った。
そして、自分達の未来を思い描いた。
満天の星空の下で、純白のドレスに身を包んだ薫と司の姿が瞼に浮かんだ。
私達にも、そんな日が来る。
教会の片隅で、もう1組の夫婦が産声を上げようとしていた。
同じアリエスの星の下に生まれた薫と恵美子の恋は、今満開に咲き誇っているのだ。

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『今、確かな愛が実を結ぼうとしていた。
そして、もう一つ。
激しく燃え、苦しみ、そして、遂に勝ち取った愛があった』

ドラマ アリエスの乙女たち(第23話) [サンテレビ] 2014年02月18日 15時00分00秒(火曜日)

<大映テレビドラマシリーズ:関連作品>


テーマ:懐かしドラマ - ジャンル:テレビ・ラジオ

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