色々鑑賞録
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バウンティフルへの旅
ジェラルディン・ペイジ主演のロードムービー。

息子夫婦と折り合いの悪い老婦人が、
家を飛び出して生まれ故郷へ旅に出るというお話。

一言で言えば地味~な映画。
老婦人が旅をするという、ただそれだけの内容。
なのに、これがちっとも飽きさせない。
通常劇映画というのは、盛り上げよう、面白くしようと、
やたら話が捻ってあったり、劇的興奮を誘う要素を随所に散りばめたりするものだが、
本作の作り手は敢えてそれを狙わず描写そのものに徹している。
あるのは、老婦人が旅に出て簡単な交流するという本当にただそれだけで、
劇中特別なことは何も起こらない。
老婦人の足取りを、カメラがずっと見つめ続ける。
ここに、何も足さない何も引かないどこかのウイスキーみたいな良さがある。
こうした会話とやり取りの積み重ねだけで客をグイグイ引き込むのは、
脚本や演出に加えて演技力が大きい。
老婦人を演じるジェラルディン・ペイジが、最高の演技を見せてくれる。
将来女優を目指す人や現役の女優さんは、この映画を絶対に見て欲しい。
これがプロの演技だというのがよく分かる。
ペイジは、本作でアカデミー主演女優賞を受賞している。
アン・バンクロフト、ウーピー・ゴールドバーグ、ジェシカ・ラング、メリル・ストリープ、
これらの大女優を抑えての受賞だけに価値がある。
この地味で小さな映画の主演女優に賞を送ったアカデミー会員たちも随分な英断だったと思う。
見て良かったと思える映画なので、地味映画好きの人は是非見て下さい。

※本作は日本語版DVD未発売のため、廃盤VHSかTV放送がないと見るのが難しい作品です。
もしTV放送された場合は是非録画して御覧になって下さい。

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allcinema
MovieWalker
Wikipedia

<作品データ>
脚本:ホートン・フート
監督:ピーター・マスターソン
公開:1985年
配給:日本ヘラルド映画

<出演>
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ワッツ夫人:ジェラルディン・ペイジ

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ルディ:ジョン・ハード

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ジェシーメイ:カーリン・グリン

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保安官:リチャード・ブラッドフォード

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セルマ:レベッカ・デモーネイ

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ロイ:ケヴィン・クーニー

<ストーリー>
満月の夜、ワッツ夫人(ジェラルディン・ペイジ)は物思いに耽っていた。
もう真夜中なのに全然眠れない。
ワッツ夫人は、椅子に腰掛けて何となく時間を潰した。
思い浮かぶのは、若き日の自分の姿だ。
大草原の中で未だ幼い我が子を抱き抱えていたのは、今から一体何年前のことだろう。
今ではすっかり老婦人だ。
月明かりの部屋の中で、ワッツ夫人は自分の半生がもう残り少ないことを自覚していた。

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現在、ワッツ夫人は息子夫婦と同居している。
田舎暮らしの長かったワッツ夫人にとって、今の暮しは毎日が苦痛だ。
都会暮しは性に合わない。
近所に知ってる人は誰も居ない。
唯一頼れる筈の息子・ルディ(ジョン・ハード)は、嫁のジェシーメイ(カーリン・グリン)に頭が上がらない。
ワッツ夫人は、このジェシーメイとは丸で反りが合わなかった。
田舎の農婦だったワッツ夫人は、教会で僅かな教育を受けただけだ。
聖書の教えを守り、賛美歌を歌うのが習慣になっている。
学校教育を受けた世代のジェシーメイは、そんなワッツ夫人を酷く馬鹿にした。
鼻歌にでも賛美歌を歌うと怒鳴り付け、当て付けにラジオで流行曲を流した。
やれ、失くしたメモを探せ、勝手にドレッサーを開けるな、人が話しているのにふくれっ面をするなと、
ワッツ夫人はジェシーメイに四六時中小言を言われ続けた。
耐え兼ねたワッツ夫人は、ある日息子夫婦に無断で家を飛び出した。
行き先は、生まれ故郷のバウンティフルだ。
残り少ない人生だもの。
好きな場所で、好きなように死なせてちょうだい。

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バスターミナルにやって来たワッツ夫人は、駅員にバウンティフルへの切符を注文した。
駅員は路線図を調べてワッツ夫人に答えた。
「そういう駅はありませんね」
どうやら、何年か前に廃駅になっているらしい。
仕方なく、ワッツ夫人は隣町までの切符を買って待合室のベンチに腰を下ろした。
ワッツ夫人は、隣に腰掛けていた若い女性セルマ(レベッカ・デモーネイ)に話し掛けた。
「バウンティフルを御存知?」
セルマは、知らないと首を振った。
誰もバウンティフルを知らない。
駅員も、乗客も。
かつては栄えた町だった。
ワッツ夫人はそこで生まれ、そこで育ち、子供を育てた。
バウンティフルを離れて、もう20年になる。
今は一体どうなっているのだろう。

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ワッツ夫人は、窓から外の様子を眺めた。
すると、血相を変えた息子夫婦の姿が目に入った。
ワッツ夫人が家から逃げ出したのに気付いて追い掛けて来たらしい。
見つかったら連れ戻されてしまう。
ワッツ夫人は、カフェに駆け込んで何とか息子夫婦をやり過ごすことにした。

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丁度入れ違いで、待合室にワッツ夫人の息子夫婦が入って来た。
妻ジェシーメイは、迷惑で仕方がないという口調で夫に文句を言った。
「バウンティフルはもう無いって言って聞かせたのに、お義母さんは強情を張ってるのよ。
いっそのこと警察に通報しましょうよ。そうしたら懲りるわよ」
夫ルディは、妻を無視してターミナルの中を捜し回った。
そして、ベンチにワッツ夫人のハンカチが落ちているのを見付けるとセルマに尋ねた。
「母を捜してます。心臓が悪くて目を離せないんです。会いませんでしたか?」
セルマは正直に答えた。
それらしい人を見掛けたけど、急に出て行ったので何処へ行ったのかは分かりません。
それを聞くと、ルディは他の人にも尋ねて回った。
ジェシーメイは、ウンザリしながらルディの腕を引いた。
「お義母さんは、構って欲しくて芝居をしてるのよ。
お金も持ってないし、何処へも行けやしないわ。家へ帰って待ってるのが一番よ」
結局他にワッツ夫人を見たという人は見つからなかった。
何の手掛りも得られそうにないので、ルディは一旦家へ帰ってワッツ夫人を待つことに同意するのだった。

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数分後、ターミナルからバスが出発した。
車中には、息子夫婦をやり過ごしたワッツ夫人とセルマの姿があった。
ワッツ夫人は、隣席のセルマに何処へ行くのか尋ねてみた。
セルマの行き先は実家だった。
夫が外地へ送られることになったのだ。
ワッツ夫人は、夫の身を案じるセルマを気遣った。
「賛美歌の91番が、あなたの御主人を守ってくれるわ」
セルマは少し俯いた後、ワッツ夫人に尋ねた。
「お節介かもしれないけど、バス停で息子さん夫婦が心配してましたよ。帰らなくていいんですか?」
ワッツ夫人は笑いながら答えた。
「怒ってたでしょ?姑は頭が変だって。いいのよ、気にしないわ」

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長距離バスの車中は退屈だ。
ワッツ夫人とセルマは、互いの身の上話をして時間を潰した。
セルマが夫との仲は順調だと話すと、ワッツ夫人はそれはとてもいいことだと太鼓判を押した。
「私は主人を愛してなかった。敬ってはいたけどね。
私が生涯愛した人は、レイ・ジョン・マレー1人よ。レイも私を愛してた」
「じゃ、どうしてレイと結婚しなかったの?」
「父親同士の仲が悪くて、無理矢理別れさせられたの。
惨めな妻だった、愛なき結婚を強いられて。
もう忘れたつもりだったのに。バウンティフルと一緒に。すぐ思い出してしまう。
愛する人と結婚出来たあなたは、最高に幸運なのよ」
セルマにそう言いながら、ワッツ夫人は涙をハンカチで拭った。

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長距離バスがハリソン駅に到着した。
ワッツ夫人とセルマは待合室に入った。
セルマはここで30分先のバスに乗り換えだ。
ワッツ夫人は、これから知り合いの家に行く予定だ。
ワッツ夫人の目的地・バウンティフルには幼馴染が居る。
キャリー・デイヴィスという同世代の女性だ。
同じファーストネームのせいか、ずっと仲良しだった。
困ったことがあったらいつでもいらっしゃいと言ってくれる気の置けない仲だ。
ワッツ夫人は、駅番のロイ(ケヴィン・クーニー)に道順を尋ねてみた。
ロイは、荷物を片付けながらワッツ夫人に答えた。
「バウンティフルですか?もう誰も居ませんよ。
最後まで住んでいたキャリー・デイヴィスは、一昨日死体で見つかりました。
死後何日も経ってたそうです。今朝、丁度葬式をやってました」
それを聞くと、ワッツ夫人はガッカリしてベンチに腰を下ろした。
古くからの知り合いがどんどん死んでゆく。
高齢のワッツ夫人にとって、キャリーは最後の親友だった。

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意気消沈するワッツ夫人を気遣って、セルマが声を掛けた。
「どうなさるの?」
ワッツ夫人は気丈に答えた。
「このまま、バウンティフルまで歩いて行くわ」
「もう夜中ですよ」
「そうね。それじゃ朝まで待って誰かに車で送って貰うわ」
「宿を手配しましょうか?」
「勿体無いわよ。私はこのベンチで十分よ。バッグを枕にすれば眠れるじゃない……」
言い掛けたワッツ夫人は、はっと驚いた。
ハンドバッグがない。
ワッツ夫人は、慌てて駅番・ロイに訴えた。
「バスの中にバッグを忘れたの」
ロイはワッツ夫人からバッグの特徴を聞くと、次の駅の係員に電話を掛けた。
逆の便で送り返すので、夜12時には届くという。
ワッツ夫人は、ほっと胸を撫で下ろした。
バッグの中には、年金小切手が入っている。
失くしたら全財産を失うところだった。

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数分後、セルマは乗り換えのバスに乗って去っていった。
ワッツ夫人は、手を振ってセルマを見送った。
夜の待合室の中で、ワッツ夫人はロイと2人切りになった。
ロイは、待合室の電灯を消しながらワッツ夫人に尋ねた。
「朝までここにいらっしゃるんですか?」
「仕方ないわよ。バッグが無いとお金がないもの」
ワッツ夫人は、そう言って硬いベンチに横になった。
長旅で疲れが溜っているのか、間もなくワッツ夫人は寝息を立て始めた。

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深夜、係員室で仮眠を取っていたロイは、
誰かに揺り起こされて目を覚ました。
起こしたのは、顔馴染の保安官(リチャード・ブラッドフォード)だった。
保安官は、ベンチで眠るワッツ夫人を指してロイに尋ねた。
「あの人は、いつからここに居る?ヒューストンからか?
息子さんから家出人捜索願が出てる」
「ええ、バウンティフルが故郷だとかで」
「よく眠ってるな。起こすのは忍びない。
息子さんに連絡するから、暫く様子を見ててくれ」
保安官は、ロイにそう言い残して待合室を出て行った。

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ワッツ夫人は、物音を聞いて目を覚ました。
待合室の片隅に、ロイが立っていた。
ワッツ夫人はロイに尋ねた。
「私のバッグは届いた?」
ロイは、少し前に返送されたバッグを夫人に手渡した。
「ワッツ夫人、バウンティフルへは行けません。
息子さんがじきに車で迎えに来ますから」
驚くワッツ夫人の前に、先程の保安官がやって来た。
このままでは家に連れ戻される。
そう悟ったワッツ夫人は、保安官に懸命に訴えた。
「息子が私を迎えに来るんですね。
でも、私には1つだけ自分に誓った事があるんです。
死ぬ前に一度我が家を見ることです。
ヒューストンには帰ります。喜んで帰ります。
後たった12マイルなの。お願い、行かせて」
保安官は、困り果ててワッツ夫人に答えた。
「まず、息子さんと話し合って下さい」
聞いて貰えないと知って、ワッツ夫人はガックリ肩を落とした。
「負けたわ。ここ迄来て結局負けたんだわ。
私はじき死ぬ。嫁はそれを知ってて、意地悪く私をあのアパートで死なせようとしている。
とんでもない。私はバウンティフルで死ぬわ!
後12マイルよ。行かせて。
もう時間がないの。私には時間がないの。私にはこれが最後なのよ!」
ワッツ夫人は泣き崩れていた。
保安官は、興奮状態のワッツ夫人を何とか宥めてベンチに横たえるのだった。

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待合室の夜が明けた。
ワッツ夫人を診察した医師が帰った後、保安官は静かに語り掛けた。
「お医者さんが言ってました。
気分さえ落ち着けば、あなたの村まで行っても構わないと。
気分は大丈夫ですね?今から、私の車で送ってあげます」

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保安官の車に揺られ、ワッツ夫人は20年振りにバウンティフルへやって来た。
バウンティフルは、人っ子一人居ない過疎の村だ。
どの住居も店舗も朽ち果て、そこら中が蔦や雑草に覆われて荒れ放題になっている。
それでも、ワッツ夫人にとっては大事な故郷だった。
懐かしの故郷を目にして、ワッツ夫人は感極まっていた。
やがて、保安官の車がワッツ夫人の生家に辿り着いた。
ワッツ夫人は、保安官に手を引かれてポーチに腰を下ろした。
大草原の中の一軒家だ。
鳥の音がとてもよく聞こえた。
保安官は、ワッツ夫人に「何かあったら呼んで下さいね」と行って車に戻って行った。

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ワッツ夫人は、ボロボロの我が家に入ってみた。
傷んではいても、何もかも思い出深いあの頃のままだ。
ワッツ夫人は、ここで生まれ、ここで育ち、ここで結婚して子供を育てた。
この家は、ワッツ夫人の半生そのものなのだ。

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ワッツ夫人は、中を確かめた後再びポーチに腰を下ろした。
暫くして、ワッツ夫人の前に誰かが歩み寄って来た。
息子のルディだった。
はるばるここまで母を迎えに来たのだ。
ワッツ夫人は、ルディに謝った。
「心配かけて御免なさいね。でも、どうしても来たかった」
「いいんだ、分かってるよ」
ルディは、ワッツ夫人を気遣った。
「もっと早く連れて来てあげれば良かった。家を見ると辛いだろうと思って……」
ルディは、何故か家に入ろうとしなかった。
この家には、何か複雑な感情があるようだ。

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ワッツ夫人とルディは、自然に亡くなった父の思い出を話し始めた。
「父さんはあなたに似てハンサムだったのよ。覚えてない?」
「覚えてないね。父さんが亡くなったのは俺が10歳の時だ。
葬式の日、お祖母ちゃんと約束したよ。
あなたに息子が生まれたら、お祖父ちゃんの名前を付けてねって。
でも、今の俺には息子なんか居ない。娘も居ない。
友達のビリーは、4人目が出来たって言うのに」
ルディは、半年前に2年間の病気療養から復帰したばかりだ。
そのせいで財産は全て失い、妻に不自由を掛けた。
そんな負い目があって、ルディは妻にずっと頭が上がらないでいたのだ。
ワッツ夫人は、ルディの手を取った。
その瞬間、クラクションが鳴った。
ルディと共にワッツ夫人を迎えに来た妻・ジェシーメイが、早くしろと言っている。
ジェシーメイは、靴が汚れるのを嫌って車の中で待っているのだ。
ルディが立ち上がるよう促すと、ワッツ夫人は顔を抑えて泣き始めた。
「ここに残って畑仕事をしていたかった。
みんな消えてゆくわ。20年で、いえ10年で。
この家も、私も、お前も。
でも、川の流れは続くの。野原と木と海の香りが……力を与えてくれる。
家にはない力よ。人間にもね」
ワッツ夫人は、涙を拭って耳を澄ました。
「静かだわ。どこまでも静か。この平和を忘れていた」
そう言って、ワッツ夫人はルディに草原を指し示した。
「父さんがあそこに綿を植えたの。
見て。今は木が生い茂っている。
でも、いつか人々がここへ戻って木を切り倒してまた綿を植えるわ。
そのうちまた土地が痩せて、子供たちは土地を売って都会へ出て行く。
その後、また木が茂る。
私達はその一部よ。
土地を捨てても、与えられたものは永遠だわ」

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いつ迄待っても語らったままのルディとワッツ夫人に焦れて、とうとうジェシーメイは車を降りた。
そして、文句を言いながら2人の元へ歩み寄った。
「朝早くからこんな所まで迎えに来させてどういうつもり?
お義母さんは、身勝手にも程があるわよ」
ジェシーメイは、メモを取り出してワッツ夫人にがなり立てた。
「同居するからにはルールを守って貰うわ。
1.二度と逃げない。
2.賛美歌を歌わない。
3.ふくれっ面を止める。何か尋ねたら答えて。黙ってたらふくれてる事よ。
4.心臓が悪いんだから、家の中では走らないで歩くこと。
守って下さるわね?」
ワッツ夫人は、サバサバした表情でジェシーメイにキスした。
「分かったわ」
ジェシーメイは、ワッツ夫人があっさり承諾したことに拍子抜けしていた。
ルディは、注文ばかりのジェシーメイに自分の分を追加した。
「お互い仲良く暮す努力をするんだ。君はよく癇癪を起こすからな。いいな?」
それとなくジェシーメイを窘めると、ルディはワッツ夫人の手を引いて車へ戻って行った。
ジェシーメイはまた文句を言い始めた。
さすがに頭に来たルディは、再度ジェシーメイに釘を刺した。
「喧嘩はもう沢山だ!君にも約束を守って貰う。一緒に暮すからには仲良くするんだ」
いつになく強気のルディに気負されたのか、ジェシーメイはすごすごと車に戻って行った。

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ワッツ夫人は、「少しだけ1人にして欲しい」とルディを先に車に帰した。
そして、庭先にしゃがみ込んで土を手に取った。
農婦だったワッツ夫人は、ずっとこの土をいじって半生を過ごした。
それも今日で終りだ。
「さよなら、バウンティフル。さよなら」

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ワッツ夫人は、土に別れを告げて息子夫婦の待つ車に乗り込んだ。
3人を乗せた車は、バウンティフルから静かに走り去って行くのだった。

ジェラルディン・ペイジ:バウンティフルへの旅_2008年11月5日_[関西テレビ]_アナログ



















テーマ:洋画 - ジャンル:映画

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