色々鑑賞録
古い映画やドラマのあらすじを紹介してます
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ニュースの天才2
<その2>
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『ハッカー天国』は、何故一流誌「ニュー・リパブリック」に掲載されたのか。
チェックが甘かったのか?
そんなことはない。
そのプロセスは、ざっとこうだ。
書き上げた原稿は、まず2人のシニアエディターが別々に目を通す。
担当記者は、その意見を元に書き直す。
次は、細部の事実をチェックする。
あらゆる日付、肩書、固有名詞を調べて裏付けを取る。
続いてコピーエディターが校閲し、弁護士が法律的観点からチェックする。
ペレツ社長も目を通し、二重三重のプロセスが3日間繰り返される。
穴など何処にも見当たらない。
だが、中にはチェック不可能な記事もある。
参照する資料が、記者のノートしかないケースだ。
外部資料を参照することが出来ない内容だと、
記者ノートとの整合性以外に確認の取りようがない。
この大穴を、『ハッカー天国』は擦り抜けてしまったのだ。

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フォーブスからの問い合わせを受けたレーン編集長は、
記事に登場する人物に電話を掛けてみた。
まず、ハッカー少年イアン。
しかし、グラスによると家族と旅行中ということで連絡が取れない。
続いて、ジュークマイクロニクス社のシムズ会長。
電話を掛けると留守電だ。
仕方なく、レーン編集長は「折り返し電話が欲しい」と伝言を残した。

その日の夜、レーン編集長の自宅にシムズ会長を名乗る男から電話が来た。
レーン編集長が「確認したいことがある」と要件を説明すると、
シムズ会長は一方的に捲し立てて電話を切った。
「もう取材には協力出来ない。
グラス記者にもオフレコと釘を刺してある。
もう掛けて来ないでくれ」
記事が話題になって面倒を避けようとしているのだろうか。
それにしても、何か引っ掛る。
シムズ会長の声が妙に若いのだ。

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翌日、ニュー・リパブリック編集部とフォーブス編集部との間で電話会議が開かれた。
表向きは、『ハッカー天国』の後追い記事の方針について話し合うためだ。
ニュー・リパブリック側からは担当記者グラスとその上司レーン編集長、
フォーブス側からはアダム記者を含め3人が出席した。
実は、アダム記者は既に『ハッカー天国』が捏造だということは調べが付いている。
グラスには鋭い舌鋒を次々浴びせた。
これは記事を捏造した記者を試す最終確認だった。

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「記事に登場する人物の誰とも連絡が取れない。
君に教えて貰った番号は全て留守電で、Eメールはアカウントが削除されてる」
「どうしてかな……。僕にはすぐ掛かって来た」

「君が電話を掛けたら、本人が出たのか?」
「いや、メッセージを残したら後から電話が掛かって来た」

「ジュークマイクロニクス社はソフトウェアの大手と書いてるけど、
その根拠は?」
「校閲の誰かが入れたんだ。エディターかも」

「社の重役と初めて会ったのはホテル?イアンの家?」
「家に行ったことはない」

「重役と一緒に行ったという印象を受けたんだけど」
「そういうつもりで書いてない」

「記事に登場するネバダ州役人の電話番号は?」
「605……」
「待った、605はネバダじゃないぞ」
「……」

グラスが「別の人と間違えた」と言い訳すると、
アダム記者は「ジュークマイクロニクス」社のURLを尋ねた。
検索でヒットしないのだ。
グラスは、FAXでURLを送信した。
アダム記者がそれをブラウザに打ち込むと、単色で文字だけのシンプルなサイトが表示された。
ソフトウェアの大手にしては、余りに手を抜いた画面だ。
アダム記者を始めとするフォーブス編集部は、脱力しながら答えた。
「どう見ても詐欺サイトだ。
間に合わせで作ったとしか思えない」

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同席していたレーン編集長も、大汗をかくグラスに尋ねた。
「ネバダ州役人の番号は?」
グラスは、何も答えられなかった。
もう誤魔化せない。
それを知ると、グラスは途端に言い訳を始めた。
「認めるよ。僕はハッカー達に騙されてたんだ」
誰よりも空気を読み、変わり身が早い。
グラスらしい身の守り方だった。

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アダム記者の質問に答えるグラスは、終始しどろもどろだった。
どう見ても詭弁だ。
レーン編集長は、これ迄にもグラスは何処かおかしいと感じてはいた。
が、一方で部下を信じたい、信じないといけないという気持ちもあった。
ここへ来て、レーン編集長はそれが誤りだと悟った。
上司の立場にある人間は、ただ部下を信じるだけでは駄目なのだ。
時には、不愉快に思われても疑惑の目を向けねばならない。
例え、その疑惑が上司と部下の信頼関係を崩すものであってもだ。

電話会議の後、レーン編集長はグラスを追求した。
"人"が駄目なら、記事に登場する"場所"を全て確認したいと。
グラスは「意味が無い」と渋ったが、レーン編集長は譲らなかった。
仕方なく、グラスはレーン編集長と共に記事の場所へ車を走らせた。

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まずは、ハッカー少年イアンと会社重役が契約を交わしたホテルだ。
このホテルのカフェで交渉したことになっている。
カフェに入ると、グラスは「この椅子にイアンと両親」「その正面に弁護士と重役」と説明を始めた。
この契約後、200人のハッカー集団がロビーでイアンを祝ったことになっている。
そのロビーにも行ってみると、レーン編集長は思わず絶句した。
200人のハッカー集団が集まったにしては余りに狭すぎる。
レーン編集長は、受付に尋ねた。
2週間前の日曜日にここでハッカー集会が開かれたかどうか。
受付は即座に否定した。
「ここは日曜日は閉めてます」

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またグラスが下手な言い訳を始めると、レーン編集長は聞く耳持たずに問い詰めた。
「集会後はハッカー仲間と食事をしたんだな?
そのレストランは何処だ?」
レーン編集長はそこも確かめた。
ホテルの向かいにレストラン自体は存在した。
だが、営業時間が合わない。
夕食を摂った筈なのに、日曜は午後3時までだ。
もはや言い逃れは不可能な状態だが、それでもグラスは言い訳を止めなかった。
とうとう、レーン編集長はグラスと路上で怒鳴り合いになった。

「フォーブスの記者は全部調べるぞ。ビルの利用者リストも防犯カメラの映像も」
「僕は嘘なんか付いてない」
「その言葉は聞き飽きた!過ちを認めろ」
「僕を苛めて楽しんでるんだろ?
編集長は記者を庇うものなのに、あっちばっかり信用して。
ちゃんと僕を守れよ!」

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帰り道、レーン編集長はグラスが冷静になるのを待って再度質問した。

「集会には出たのか?」
「いや、複数の情報提供者が同じことを言うから確実だと思った。
又聞きより、自分で見たことにした方が面白いと思って」
「フォーブスに言ったことは全部嘘か?」
「本当にごめんなさい。読者に謝罪するよ。君がそうしろというなら」
「俺は真実を話して欲しいだけだ。出来るか?」

やっとのことでグラスは捏造を認めた。
レーン編集長は、内心頭を抱えていた。
これからやることが山程ある。

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<その3に続く>

<ニュースの天才:関連作品>

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