色々鑑賞録
古い映画やドラマのあらすじを紹介してます
09 | 2017/10 | 11
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

海を飛ぶ夢1
26年間寝たきりの男が、尊厳死を求めて裁判を起こした。
男は手足が動かせず、人を頼らないと生きることも死ぬことも出来ない。
果たして、男は一体誰を頼って生きるのか、あるいは死ぬのか……というお話。



allcinema
MovieWalker
Wikipedia

<作品データ>
脚本:アレハンドロ・アメナバル、マテオ・ヒル
監督:アレハンドロ・アメナバル
公開:2004年
配給:東宝東和

<出演>
vlcsnap-2015-01-21-21h06m27s87.jpg
ラモン:ハビエル・バルデム

vlcsnap-2015-01-21-21h02m53s205.jpg
フリア:ベレン・ルエダ(弁護士)

vlcsnap-2015-01-24-20h51m53s166.jpg
ジェネ:クララ・セグラ(「尊厳死の会」代表)

vlcsnap-2015-01-21-20h46m18s29.jpg
ロサ:ロラ・ドゥエニャス(ラジオDJ)

vlcsnap-2015-01-21-21h05m23s226.jpg
マヌエラ:マベル・リヴェラ(兄嫁)

<ストーリー>
弁護士フリア(ベレン・ルエダ)の元に、「尊厳死の会」代表・ジェネ(クララ・セグラ)を通して連絡が入った。
尊厳死を求めている男がいるので、会って話を聞いて欲しい。
そういう内容だ。
フリアは、「まずは本人に会って詳しい事情を知りたい」と
依頼者の住む農場へ向った。
そこには、四肢麻痺で寝たきりの男・ラモン(ハビエル・バルデム)が住んでいた。
ラモンと面会したフリアは、一つ一つ問い質した。
何故尊厳死を求めるのか?
どうして生きていたくないのか?
ラモンは、フリアを前に淡々と答えた。
「今のような状態で生きることは、尊厳がないから」

vlcsnap-2015-01-21-20h30m34s66.jpg

ラモンは、現在兄夫婦の農場に身を寄せている。
生活の面倒は、全て兄嫁・マヌエラ(マベル・リヴェラ)が看ている。
食事、排泄、着替え、何から何まで。
ラモンは手足が動かせない。
動かせるのは首から上だけだ。

vlcsnap-2015-01-24-20h54m54s163.jpg

「死なせて欲しい」というラモンの願いは、実に困難だった。
ラモンは、自力では生きることと同じく死ぬことも出来ない。
「尊厳死の会」を頼って相談しても、出来るのは精神的援助と法的助言だけだと突き放された。
自殺を幇助すれば、その人も罪に問われる。
尊厳死を実現するには、法律の後ろ盾がいる。
ラモンは、テレビ取材を通じて世論に訴えた。
尊厳死を認めて欲しいと。
ラモンは、敢えてカメラの前に体を晒した。
「恐らく、この姿を見れば、
裁判官や法律の専門家や、政治家など権力を持つ人達が、
少しは理解する筈だ。
私の精神的苦痛を分かろうとしない人々も、
こんな人生は酷いと思うだろう」
深刻な訴えだ。
にも関わらず、ラモンはいつも笑顔だ。
どうして笑顔なのか?
テレビクルーが尋ねると、ラモンは寂しそうに答えた。
「他人の助けに頼るしか生きる方法がないと、自然に覚えるんだ。
涙を隠す方法を」

vlcsnap-2015-01-24-21h01m25s249.jpg

後日、ラモンの家にロサ(ロラ・ドゥエニャス)という女が訪ねて来た。
テレビを見て、ラモンに会いたくなったという。
ロサは、2人の子供を抱えるシングルマザーだ。
工場で働く傍ら、地方局のラジオDJをしている。
身の上話をした後、ロサはラモンに諭した。
「何故死を望むのかしら。
辛いことがあっても、逃げてはダメよ。
人生は、生きる価値があるわ」
ラモンは、真っ向から反論した。
「君は、僕を説得に来たのか?
批判はよせ。
君が来た本当の理由を言ってやろう。
君は挫折感に満ちた詰まらぬ女で、人生に意義を見出すためにここへ……」
ラモンが言い終える前に、ロサは泣きながら部屋から逃げ出した。
ロサが出て行った後、ラモンは静かに呟いた。
「逃げられる君は、幸せだ」

vlcsnap-2015-01-24-16h49m16s219.jpg

その晩、ロサはラジオを通してラモンに語り掛けた。
「謝りたいの。批判して悪かったわ。許してね、ラモン」
ロサは、ラモンに向けて『黒い影』という音楽をラジオに流した。

vlcsnap-2015-01-24-17h09m14s217.jpg

テレビの影響は絶大だ。
ラモンの訴えは、尊厳死を巡る世論を喚起していた。
弁護士フリアは、その世論を武器に法廷で戦う腹積りだ。
準備のため、フリアは農場に泊り込んでラモンから詳しい生い立ちを聞き出した。
裁判が来れば、裁判長に根掘り葉掘り訊かれる。
ラモンの生き様、思想、信念、覚悟。
予め、掘り下げて聴いておく必要がある。

vlcsnap-2015-01-24-19h12m49s101.jpg

フリアの問掛けに、ラモンは答えた。
ラモンは、かつて船乗りだった。
船員として世界中を旅して回る、好奇心旺盛な青年だった。
そんなラモンの運命を変えたのは26年前だ。
遊泳中のラモンは、入江に飛び込んだ拍子に首の骨を折った。
すぐに仲間に助けられたが、
それは残酷な時間の始まりでもあった。
手足が動かせなくなったラモンは、以来26年も寝たきりの生活だ。
船乗りの時代は、当然のように恋をした。
だが、寝たきりになれば人を愛する資格はない。
今のラモンにとって、生きるということは愛から遠ざかることでもあった。

vlcsnap-2015-01-24-19h16m01s251.jpg

フリアは、兄嫁マヌエラにラモンが死を願うことをどう思うか訊いてみた。
マヌエラは、淡々と答えた。
「ラモンの意志だから」
誰よりも献身的にラモンの世話をして来たマヌエラには、
その苦悩が痛い程分かるのだ。
マヌエラは、「見せたい物がある」とフリアに紙の束を差し出した。
それは、寝たきりのラモンが口にペンを咥えて書き綴った詩であった。

vlcsnap-2015-01-21-21h06m13s221.jpg

フリアが詩を読んでいる間、ラモンはうたた寝をしていた。
もし、立ち上がることが出来たら。
もし、空を飛べたら。
海岸を歩くフリアの元まで飛んで行きたい。
ラモンは夢の中で空を飛び、フリアを抱締めていた。
表には出さないが、ラモンはフリアに仄かな恋心を抱いていたのだ。

vlcsnap-2015-01-24-19h57m45s195.jpg

ラモンは、気配を感じて夢から覚めた。
丁度、フリアが部屋に入って来たところだ。
フリアは、今読んだラモンの詩を絶賛した。
「どれも全て、素晴らしいわ。出版すべきよ。
裁判にも有利よ。あなたの"声"だから」
ラモンは、詩を褒められても全然喜ばなかった。
「フリア、全て納得してくれてると思っていた。
君が、ここに来た理由は1つ。
僕を助けるためだ。
でも、君は質問ばかりして過去を掘り起こし、
僕の心を掻き乱すだけだ」
ラモンは、タバコを吸いたいとフランに所望した。
別室に取りに行ったフランは、階段に差し掛かったところでガクリと倒れ込んだ。
フリアは、予てから持病を患っていた。
その発作が今起きたのだ。
物音は、ラモンの耳にも届いた。
フリアが倒れたと知ったラモンは、懸命に助けを呼んだ。
「マヌエラ!マヌエラ!……」

vlcsnap-2015-01-24-21h24m08s48.jpg
<その2に続く>


テーマ:洋画 - ジャンル:映画

リトル・ミス・サンシャイン3(最終)
<その3>
※ネタバレ注意
vlcsnap-2014-12-27-17h08m03s194.jpg

オリーヴ一家は、再びバスを飛ばした。
受付締切は午後3時だ。
急がないと間に合わない。

vlcsnap-2014-12-27-17h09m00s245.jpg

車中のオリーヴは、ミスコンを前にして未だ無邪気だった。
病院待合室で拾った視力検査表を手にすると、
ドゥウェイン相手に検査ごっこを始めた。
パイロット志願のドゥウェインは、視力には自信がある。
1.0の検査表もスラスラ解いてみせた。
ところが、色盲検査になると様子が変だ。
バッチリ見えていた筈の検査表が、丸で読めなくなってしまう。
隣に座っていた叔父フランクは、異変を察知した。
「君は色盲のようだ。パイロットは無理かも」
それを聞くと、ドゥウェインの顔色が青ざめた。
ドゥウェインにとって、パイロットの夢は生きる全てだ。
それだけを拠所に無言の行を立て、毎日体を鍛えてきた。
揉事だらけの家庭で悠然としていられたのも、
いつかパイロットになれるという夢があったからだ。
それが無駄と分かった。
打ちひしがれたドゥウェインは、にわかに大暴れを始めた。
車中は大混乱だ。
どう宥めても収まりそうにない。
仕方なく、オリーヴ一家は一旦路肩に停車して、
ドゥウェインの気が鎮まるのを待つことにした。

vlcsnap-2014-12-27-17h06m08s56.jpg

バスが停まると、ドゥウェインは空地に飛び出て絶叫した。
「チクショー!」
泣いて悔しがった後、ドゥウェインは慰めに来た母シェリルを怒鳴り付けた。
「二度とあんなバスに乗りたくない。
お前ら皆大嫌いだ。
離婚!破産!自殺!皆揃って負け犬じゃないか!
僕のことは放っておいてくれ。
1人にしてくれ。お願いだ」
禁を破って出たのは、溜まりに溜まった鬱憤だった。
言うだけ言うと、ドゥウェインは背を向けてしゃがみ込んだ。
すっかり絶望している。
リチャードとシェリルの父母も、打つ手なしだ。
一体どうすれば立ち直ってくれるのか。
こうしている間も、ミスコンの時間が刻一刻迫っている。
一同が困り果てていると、オリーヴが1人静かに歩み寄った。
そして、ドゥウェインの肩にそっと手を置いて寄り添った。
困っている時は助け合う。
悲しい時は、一緒に悲しむ。
それが家族だ。
幼いオリーヴも、兄の悲しみを精一杯受け止めているのだ。
塞ぎ込んでいたドゥウェインは、妹の気遣いを知って漸く顔を上げた。
「分かった。行こうか」
ドゥウェインは、オリーヴの前ではいつも優しいお兄さんなのだ。
漸く冷静さを取り戻したドゥウェインは、
暴言を家族に詫びてバスに戻った。
「御免なさい、ついカッとして。
あれは本心じゃないから」

vlcsnap-2014-11-15-19h45m44s123.jpg

オリーヴ一家は、再度バスを飛ばした。
もう本当に時間がない。
一方通行も車止めも蹴散らし、バスは走りに走って会場に到着した。
息せき切って受付に駆付けると、
受付係は「もう締切りました」と申請を退けた。
数分遅れただけだ。
リチャードは、杓子定規な受付係に跪いて頼み込んだ。
「お願いです。苦労してここ迄来たんです」
こんな事でオリーヴの夢を潰す訳にいかない。
リチャードは、受付係にしがみついて懇願した。
流石に見兼ねたのか、別の係員が執り成しに入り、
オリーヴの出場は何とか認められるのだった。

vlcsnap-2014-12-27-17h10m40s250.jpg

こうして、滑り込みセーフでオリーヴはミスコンに間に合った。
リトル・ミス・サンシャインは、公開審査で選ばれる。
大勢の客が見守る中のステージショーだ。
これから、候補の少女達とステージで特技を披露する予定だ。

vlcsnap-2014-12-27-17h33m33s135.jpg

観客席からステージを見守っていた父リチャードと兄ドゥウェインは、
ショーを見て重大な点に気付いた。
オリーヴが、どう見ても場違いなのだ。
他の子がモデル顔負けのメイキャップでめかし込む中、
オリーヴ1人がただの子供だ。
特技審査が始まると、その懸念は更に膨らんだ。
どの子も、訓練された歌曲や曲芸を披露している。
専門の教育を受けたのが明らかだ。
これはいけないと、リチャードとドゥウェインは楽屋に走った。

vlcsnap-2014-12-28-10h48m03s69.jpg

オリーヴの出番が迫る中、
リチャード、シェリル、ドゥウェインの3人は、楽屋で話し合った。
オリーヴのダンスは、お爺ちゃんと練習したお遊戯レベルでしかない。
このまま出せば、恥をかかせる。
出場を辞めさせるべきではないか。
リチャードとドゥウェインは、出場取止めを訴えた。
だが、シェリルはそれに反対した。
ミスコンはオリーヴの夢だ。
無理に辞めさせることは出来ない。
出場するかどうかは、オリーヴ本人の意思で決めるべきだ。
シェリルは、出番を前に緊張するオリーヴに改めて確認した。
「嫌なら出なくでもいいのよ。
例え、ここで辞めても皆あなたのことを誇りに思うわ」
それでも、オリーヴの意思は崩れなかった。
係員がやって来ると、決意の表情でステージに出て行くのだった。

vlcsnap-2014-12-27-17h20m01s199.jpg

一家は大急ぎで観客席に回った。
丁度、オリーヴがステージに進み出たところだ。
オリーヴは、演目を前に司会者のマイクを要求した。
「振付をしてくれたお爺ちゃんにこのダンスを捧げます」

vlcsnap-2014-12-28-11h02m16s151.jpg

いよいよ、ダンスが始まった。
タキシードで決めたオリーヴは、体をくねらせて妙なリズムを取り始めた。
そして、曲に合わせて上着を放り投げてしまった。
これは……ストリップダンスだ。
振付を爺ちゃんに任せたのがいけなかったか。
こりゃいかんと誰もが頭を抱える中、オリーヴのダンスはノリノリで進行している。
一体どうしたものか。
家族は、為す術なくその姿を見守り続けた。

vlcsnap-2014-12-28-11h03m08s134.jpg

やがて、客席から野次が飛び始めた。
「引込め、ヘタクソ」
主催者も、カンカンになってリチャードに抗議した。
「娘をステージから降ろすのよ!早く!」
リチャードは悩んだ。
ここでオリーヴを引き摺り降ろしたら、夢を壊してしまう。
だからと言って、このまま放置も出来ない。
一体どうする?
悩んだ末に、リチャードは閃いた。
こうなったらもう……一緒に踊るしか無い。
リチャードはステージに飛び出すと、オリーヴの隣で一心不乱に踊り始めた。

vlcsnap-2014-12-14-15h06m52s30.jpg

固唾を呑んで見守っていた他の家族も、事態を察知してステージに駆け上がった。
家族の危機だ。
これはもう……一緒に踊るしか無い。
一家の人々は、取り憑かれたようにステージで踊り始めた。
一体何がどうなっているのか。
客席の人々が唖然とする中、オリーヴ一家のダンスが続く。。
やっとのことでダンスが終ると、客席の中からまばらな拍手が起きた。
一部には受けたようだ。

vlcsnap-2014-12-14-15h11m57s80.jpg

こうして、オリーヴ一家はミスコン荒しで警察に逮捕された。
警察署でこってり絞られた後、一家は条件付きで釈放を認められた。
それは、二度とミスコンには出ないことだった。

vlcsnap-2014-12-27-17h20m55s250.jpg

警察署を出たオリーヴ一家は、再びバスを発車させた。
例によって、押して飛び乗るを繰り返さないとバスは走らない。
毎度馬鹿みたいだが、一家は晴れやかな気分だった。
優勝は出来なくても、ミスコン出場の夢は果たした。
家族全員で、オリーヴの夢を成し遂げたのだ。
エドウィンの急死というアクシデントはあったが、旅は有意義だった。

そう言えば、生前のエドウィンはミスコン前日オリーヴにこんな事を言っていた。
「負け犬とは、負けるのが怖くて何もしない奴のことだ」と。

vlcsnap-2014-12-27-17h21m43s219.jpg

グレッグ・キニア:リトル・ミス・サンシャイン [関西テレビ] 2011年09月03日 26時05時00秒(土曜日)


テーマ:洋画 - ジャンル:映画

リトル・ミス・サンシャイン2
<その2>
vlcsnap-2014-12-13-16h27m16s238.jpg

オリーヴ一家は、長距離旅行を再開した。
車中が退屈になると、
父・リチャードが仕事のことを家族に話して聞かせた。
現在取り組んでいるのは、「成功のための9段階プログラム」という自己啓発書だ。
人間には勝ち組と負け組がいる。
勝ち組になるにはどうするか?
諦めず努力すること。
その心構えを纏めたのがこのプログラムだ。
父に感化されたのか、オリーヴはミスコンを夢見て毎日ダンスの練習をしている。
兄・ドゥウェインも、空軍パイロットになるまで無言の行を守り抜いている。
当の父・リチャード自身が、本を売る夢を追い掛けている。
言わば、夢追い人だ。
そんな3人と対照的なのが、母、叔父、祖父の3人だ。
特に叔父・フランク(スティーヴ・カレル)の視点は、冷ややかだった。
フランクは現在療養中だが、元は学者だ。
実業家のリチャードとは価値が合わない。
フランクが失恋から自殺未遂を起こした過去があることも、リチャードの理論では負け組ということになる。
今に本が売れて大儲けだとリチャードが豪語すると、
フランクはついつい皮肉を飛ばして、
車中で口喧嘩を始めてしまうのだった。

vlcsnap-2014-12-01-15h21m54s238.jpg

ゴタゴタを抱えたまま、一家のバスはサービスエリアで小休止に入った。
すると、またまた小さな騒動が持ち上がった。
まずは、父・リチャードだ。
仕事の相棒・スタンと電話が繋がると、何故かリチャードは血相を変えて電話に縋り付いた。
誰の目で見ても、仕事に失敗したのが明らかだ。
先程までの強気は何処へやら、電話を終えたリチャードはすっかり不機嫌になってしまった。
本が売れてくれないと、大儲けどころか破産の危機だ。
一家は一体どうなってしまうのか?

vlcsnap-2014-12-13-16h28m33s225.jpg

その頃、サービスエリアの売店では別の騒動が持ち上がっていた。
オリーヴの叔父・フランクが、
買い物中にバッタリ元恋人・ジョシュ(ジャスティン・シルトン)と出会してしまったのだ。
と言っても、相手は女ではない。
フランクは同性愛者なので、相手は男だ。
大学講師だったフランクは、かつて教え子のジョシュに恋をした。
その教え子が同僚講師・ラリーと恋仲になったと知った時、
フランクは絶望に駆られて自殺未遂を起こした。
フランクがオリーヴ一家に身を寄せているのは、そんな事情からなのだ。

vlcsnap-2014-12-01-18h18m59s252.jpg

フランクはジョシュに挨拶してぎこちなく近況報告をすると、後ろ手にレジの買物を隠した。
実は、エドウィンに頼まれてポルノ雑誌を買いに来たところなのだ。
これを見られると、実にまずい。
しかし、変に隠せば人間の動作は不自然になるものだ。
妙に思ったジョシュは、体越しにレジの買物を覗き込んでしまった。
買物がポルノ雑誌だと見て取ると、
ジョシュはそそくさと店を出て現恋人・ラリーのオープンカーに乗って走り去って行った。
見送りながら、フランクは改めて思った。
今度こそ終りだと。
それも最悪の赤っ恥で終ってしまった。
バスに戻ったフランクは、
投げやりな態度でエドウィンにポルノ雑誌を投げて渡すのだった。

vlcsnap-2014-12-05-20h13m37s0.jpg

その晩、オリーヴ一家は気不味い雰囲気のままモーテルに宿泊した。
リチャードは妻・シェリルと一通り夫婦喧嘩を済ませると、
モーテルを飛び出して相棒・スタンの宿泊しているホテルに走った。
スタンに直接話を聞かないと納得出来ない。

vlcsnap-2014-12-01-18h37m40s205.jpg

スタンは中々捕まらなかった。
何度携帯に掛けても留守電だ。
ロビーに押し掛けてやっとスタンを捕まえると、リチャードは問題の詳細を問い質した。
すると、スタンは悪びれることもなく言い訳した。
「問題はプログラムじゃない。
君だよ。君は無名だ。だから売れなかった。
売れなきゃそれ迄だ。君も諦めて前へ進め」
スタンにしてみれば、本の売込みはたくさんある仕事の一つに過ぎない。
駄目なら簡単に諦められるだろう。
しかし、リチャードはこれ一つに賭けて来た。
諦めきれる訳がない。
傷心のリチャードは、自分自身に言い聞かせた。
「こんな時のために、あのプログラムがあるんだ」

vlcsnap-2014-12-05-20h42m49s130.jpg

翌朝、リチャードは娘のオリーヴに揺り起こされた。
「どうしたんだい?」
「お爺ちゃんが起きない」

vlcsnap-2014-12-05-20h45m20s113.jpg

エドウィンは、救急車で病院に担ぎ込まれた。
しかし、時既に遅し。
医師による診断の結果は、就寝中に亡くなっているということだった。
オリーヴ一家は突如家族を喪った悲しみに暮れながら、
これからどうするかと頭を抱えた。

vlcsnap-2014-12-05-20h47m30s123.jpg

思えば、ワイルドな半生だった。
誰かれ構わず下ネタを連発し、老人ホームでヘロインを吸って追い出された過去を持つ。
最期まで豪快に決めてくれた。
などと感心している場合ではない。
こんなところで死なれたら、手続きや何やで病院に足止めを食ってしまうのだ。
オリーヴのミスコンは今日開催だ。
待っている訳にはいかない。
こうなったらもう……死体を持ち逃げするしかない。
オリーヴ一家は、職員の隙を見て病室の窓から死体を担ぎ出すと、
バスに乗せてトンズラしてしまうのだった。

vlcsnap-2014-12-05-20h54m43s99.jpg
<その3に続く>



















テーマ:洋画 - ジャンル:映画

リトル・ミス・サンシャイン1
美人コンテストに出場する少女と
それを応援する家族を描いたロードムービー。



allcinema
MovieWalker
Wikipedia

<作品データ>
脚本:マイケル・アーント
監督:ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス
公開:2006年
配給:20世紀フォックス

<出演>
vlcsnap-2014-11-15-19h09m41s253.jpg
オリーヴ:アビゲイル・ブレスリン

vlcsnap-2014-11-15-19h10m39s77.jpg
リチャード:グレッグ・キニア(父)

vlcsnap-2014-11-15-19h19m09s48.jpg
シェリル:トニ・コレット(母)

vlcsnap-2014-11-15-19h08m54s39.jpg
フランク:スティーヴ・カレル(叔父)

vlcsnap-2014-11-15-19h07m49s165.jpg
ドゥウェイン:ポール・ダノ(兄)

vlcsnap-2014-11-15-19h09m58s175.jpg
エドウィン:アラン・アーキン(祖父)

<ストーリー>
誰にだって夢がある。
6歳の少女・オリーヴ(アビゲイル・ブレスリン)の夢は、
ミスコンの女王になることだ。
いつかその日がやって来る。
信じて疑わないオリーヴは、
日々受賞リアクションを研究し、
ダンスの練習を怠らない。
念ずれば叶う。
オリーヴは、夢に賭けるチャレンジャーなのだ。

vlcsnap-2014-12-01-15h03m53s184.jpg

オリーヴが目指すのは、6歳から7歳の少女を対象にしたミス・サンシャインだ。
しかし、審査が厳しくて中々チャンスが貰えない。
そんなオリーヴに千載一遇のチャンスがやって来た。
候補者の1人が辞退して繰り上げ当選が決まったのだ。
大喜びのオリーヴだったが、大きな問題が持ち上がった。
幼いオリーヴが会場まで1人行く訳にはいかない。
州を超えた会場まで、家族が付き添う必要がある。
オリーヴ一家は、両親、祖父、叔父、兄の6人家族だ。
オリーヴの夢を叶えるため、
一家は総出で長距離旅行に出掛けることになるのだった。

vlcsnap-2014-12-01-15h07m21s190.jpg

一家はマイクロバスを走らせて、一路会場へ向った。
ロングドライブの車中は退屈だ。
オリーヴの祖父・エドウィン(アラン・アーキン)は、
退屈凌ぎに下ネタを連発する豪快な爺ちゃんだ。
オリーヴの兄・ドゥウェイン(ポール・ダノ)相手に、
青少年の道を説いて聞かせた。
「女とやれよ。やりまくれ。大勢とやれ」
当のドゥウェインは構うことなく、
黙って祖父の教えを聞き流した。
ドゥウェインは空軍パイロットになるのが夢で、
実現するまで誰とも話さないと無言の行を貫いているのだ。
必要最小限の会話も筆談で済ませる徹底ぶりだ。

vlcsnap-2014-12-01-15h08m13s224.jpg

妙な雰囲気の家族を尻目に、
オリーヴ本人は至って無邪気だ。
ファミレスの朝食では、大好きなアイスクリームを注文した。
さすがに見兼ねた父・リチャード(グレッグ・キニア)が、オリーヴを諌めた。
「ミスコンの女王は皆痩せてるだろ?それは、アイスを食べないからだ」
父に言われてハッとしたオリーヴは、アイスを家族に差し出した。
「誰か、アイス欲しい人いる?」
家族が美味しそうに平らげてゆくと、オリーヴは堪らずアイスを取り返した。
「全部食べないで!」
やっぱり、オリーヴはアイスを食べてしまった。
食べたいものを食べる本能は止まらないのだ。

vlcsnap-2014-12-01-15h14m27s109.jpg

長距離旅行は、まだまだ続く。
と行きたいところだが、一家は早々に壁にぶつかった。
バスのクラッチが故障して発車できないのだ。
修理工場に相談すると、部品の取り寄せに何日も掛るという。
待ってたらミスコンに間に合わない。
こうなったらもう……手で押すしかない。
バスを人力で押して時速30キロに加速し、
そこでエンジンを掛けて飛び乗るのだ。
発車の度に、この押して飛び乗るを繰り返さなければならない。
面倒だが、オリーヴの夢を叶えるためだ。
そう簡単に諦める訳にはいかないのだ。

vlcsnap-2014-12-01-15h11m59s190.jpg
<その2に続く>

テーマ:洋画 - ジャンル:映画

寺田家の花嫁2
<その1>

※ネタバレ注意

<その2>
田舎暮らしが落ち着いた頃、千佳子と光生は東京に出た。
ささやかな新婚旅行代りだ。
数日千佳子のマンションに滞在して、また村に戻る。
そういう予定だ。
嫌な思い出も一杯あるが、やはり都会は便利だ。
千佳子は、光生と少しの都会暮しを楽しむつもりでいた。

vlcsnap-2014-11-03-10h26m13s112.jpg

そんなある日、千佳子は買物からマンションに帰って驚いた。
いつの間にか、義母と義妹が上がり込んで勝手に家財道具を広げているのだ。
一体どういうことか?
千佳子が尋ねると、田舎の家を売り払ってここで暮したいという。
光生と義妹に至っては、既に東京で仕事まで見つけてある手回しの良さだ。

vlcsnap-2014-10-26-12h28m17s70.jpg

さすがに納得出来ない千佳子は、緊急に家族会議を開いて一同を問い詰めた。

「あたしは、利用されたの?
最初からそのつもりで結婚したの?
マンション持ってるから?
東京に家族で住める部屋を持ってるから?」
「違うって」
「何が違うのよ?
結局は、寺田家の皆で東京に来たかっただけじゃない!」

千佳子は、寺田家の人々が丸で信用出来なくなった。
余りにも出来過ぎている。
それでいて、夫を信じたいという気持ちも無いではなかった。
一度失敗した身だ。
もう失敗したくない。
そんな願望から心が揺れてしまうのだ。
とは言え、気になっていた権藤の話が急に信憑性を帯びて来た。
前の妻・美弥を殺したのが真実だとすると、
今度は千佳子も殺されるかもしれない。
殺してしまえば、マンションは寺田家の物だ。

vlcsnap-2014-11-03-10h28m25s152.jpg

急な不安のせいだろうか。
その晩から、千佳子は熱を出して寝込んだ。
寺田家の人々は、心配して看病してくれた。
しかし、千佳子は内心気が気じゃなかった。
毒を盛られるのではないか。
不安で仕方ないのだ。
用意されたお粥も煎じ薬も、ビクビクしながら口を付けた。
殺される。
いつか殺される。
不安に駆られながら、千佳子は熱に魘された。

vlcsnap-2014-11-03-10h29m21s197.jpg

翌朝千佳子が目を覚ますと、寺田家の人々は書き置きを残して姿を消していた。
集中豪雨で家が心配になったので一旦帰るという。
何とか命拾いしたようだ。
やっと起き上がれるようになった千佳子は、1人マンションの中で思案した。
殺すチャンスはあった。
なのに、寺田家の人々は自分を殺さなかった。
何か思惑があってのことだろうか?
それとも、殺されるなんてただの被害妄想に過ぎないのだろうか?
このまま逃げてしまえば助かる。
土地鑑の無い寺田家の人々が、東京で自分を探し当てることもあるまい。
しかし、そんな気にはなれなかった。
やっぱり夫を信じたい。
本当の気持ちを確かめたい。

vlcsnap-2014-11-03-11h16m16s186.jpg

千佳子は、村に戻った。
寺田家の人々は、家財道具を纏めて引っ越しの準備中だ。
すっかり東京で暮すつもりでいる。
この勢いでは、止めても聞かないだろう。

vlcsnap-2014-11-03-11h19m59s126.jpg

千佳子は、光生と2人切りになって直接疑問をぶつけてみた。
「美弥さんを殺したの?
何処かに埋めたの?
今度は、あたしを殺したいの?」
千佳子の問掛けに、光生は直接答えようとはしなかった。
「疑わないでくれ。
信じてくれ」
真相がどうあれ、「はい殺しました」と答える筈もない。
千佳子は夫を信じ切ることも出来ず、疑い切ることも出来ず、判断が付きかねていた。

vlcsnap-2014-11-03-11h20m50s122.jpg

そんな千佳子の前に、再び権藤が現れた。
権藤は、納屋に千佳子を呼び込んで再度訴えた。
「あいつは絶対に美弥を殺したんだ。
光生はここで美弥を殺したんだ」
寺田家の人々が留守の間、
権藤は庭を掘り起こして美弥の死体を探したという。
それでも、何も出て来ないので今日は酷くイライラしていた。
「どうして、信じてくれないんだ?
どうして、あなたは協力してくれないんだ?」
異様な剣幕で激昂する権藤を前に、千佳子はつい本音を漏らしてしまった。
「何で死んでるって決めつけるんですか?
肉親だったら例えどんなにその可能性があったとしても、
生きてて欲しいって願うものでしょ?
あなたは、美弥さんに死んでて欲しいんですか?」
痛いところを突かれたのか、権藤は突然ナタを手に取った。
「ゴチャゴチャ言うんじゃねえ!
光生のナタだ。これであんたを殺してやる。
警察は、光生が殺したと思うだろうな。
そうすりゃ、美弥の死体を見つけてくれるんだ!」
怒らせてはいけない相手を怒らせた。
千佳子は、慌てて逃げ出した。
錯乱した権藤は、ナタを振り回して千佳子を追い回した。
誰か助けて。
千佳子が祈った瞬間、権藤の怒鳴り声が消えた。
光生が助けに来たのだ。
光生と権藤は格闘の末、権藤が転落死する形で決着が着いた。
間一髪命拾いした千佳子は、光生と固く抱き合うのだった。

vlcsnap-2014-11-03-11h51m28s67.jpg

警察の捜査の結果、権藤は借金苦からノイローゼ状態だったことが分かった。
妹の保険金を当てにしていたのか。
失踪した美弥に死んでいて欲しい、
いや、死んでいる筈だと思い込み、
美弥が光生に殺されたという妄想に取り憑かれていたのだ。
捜査官からその話を聞かされた千佳子は、
自分も一歩寸前だったと我が身を重ねた。

vlcsnap-2014-11-03-11h55m36s247.jpg

悪い夢が終った。
千佳子は、東京への引越に同意した。
家と土地は、及川が買い取ってくれることになった。
いつか食用菊の種を分けてくれた、あの及川だ。
引越の朝、千佳子は光生に頼まれた。
及川への挨拶状をワープロ打ちして欲しいと。
光生から手書きの草稿を受け取った千佳子は、
ワープロに字を打ち込みながら妙なことに気付いた。
「ご容謝ください」
正しくは、ご容"赦"だ。
この誤変換は、前に見た覚えがある。
いつだったか。
思い返した千佳子は、背筋が凍り付いた。
警察に見せられた原口の遺書と、
美弥から届いた詫状と、今回を含めて3回見た覚えがある。
3人の人間が、同じ誤変換をするだろうか?
書いたのは同一人物と見るのが自然だろう。
だとしたら、原口の遺書も、美弥の詫状も、全部光生が書いたことになる。

vlcsnap-2014-11-03-14h55m25s100.jpg

千佳子は、ふと山中の菊を思い出した。
少年に案内されて見に行ったあの菊だ。
あれは珍しいどころじゃない。
有り得ない。
人工的に交配した食用菊が、山中の一角に生えて来るなど。
でも、あの下に種を持った誰かが埋められてるとしたら。
それなら、辻褄が合う。

vlcsnap-2014-10-31-21h31m05s78.jpg

千佳子は、光生と義母と義妹を連れて山中の一角に行った。
不自然に咲いた食用菊を前に、千佳子は光生を問い質した。
「美弥さんを殺したのね?
美弥さん、土の中で叫んでたのね?
ここに居る、早く見つけてって」
千佳子の追求を受けた光生は、その場に土下座して皆に謝った。
「済まなかった」

vlcsnap-2014-11-03-15h01m16s16.jpg

光生は、警察に自首した。
美弥を殺した理由は何だったのか?
捜査官に問われた光生は、3年前の出来事を打ち明けた。

美弥は、田舎暮らしを嫌った。
元々、結婚したのは借金取りから逃げるための偽装に過ぎず、
光生に対しても愛情など微塵も持ってはいなかった。
ある夜、美弥は家の金品を持ち逃げしようとした。
寸前で捕まえた光生は、盗みは水に流すからここに残ってくれと頼んだ。
だが、美弥は聞く耳持たずに光生に毒づいた。
「最初からあんたなんか、好きでも何でもなかった!」
その一言だけは、聞きたくなかった。
気が付くと光生と美弥は揉み合いになり、結果として光生が美弥を殺してしまったのだ。

千佳子の前夫・原口を殺したのも光生だった。
別れ話が拗れ、仲裁の筈がやはり結果として殺してしまった。
遺書は光生の偽装であった。

vlcsnap-2014-11-03-15h35m33s105.jpg

美弥と原口、
2つの殺人を告白した光生は、調書を取る刑事を前に項垂れた。
「私はもうこれで嘘を付かなくて済む。
千佳子に嘘を付いていたことが、苦しくて堪らなかった。
なして、こんな事になってしまったんでしょうね。
千佳子と東京で、故郷から離れたところで幸せになりたかっただけなのに。
でも、大切な人に嘘を付いて幸せになれる訳がない。
当り前の話ですよね」

岸本加世子、柳葉敏郎:小池真理子サスペンス 寺田家の花嫁 [テレビ大阪] 2012年10月24日 13時00時00秒(水曜日)


テーマ:懐かしドラマ - ジャンル:テレビ・ラジオ



プロフィール

rps1979y

Author:rps1979y
※映画・ドラマの粗筋紹介は、
オチまで記してあるので御注意下さい。
管理人への連絡先はこちら

最新記事

カテゴリ

リンク

このブログをリンクに追加する

Amazon検索

楽天検索

楽天で探す
楽天市場

買物履歴

ブログランキング